厚生労働省の新型コロナ専門家会合
コロナ感染者への対応 課題や見直し
9月中めどに取りまとめへ

2020年9月10日

新型コロナウイルスに感染した人に対しては、現在、感染症法に基づいて入院を勧告し、全員の感染経路などを調査する対応が取られています。この対応の課題や見直しについて専門家が検討する厚生労働省の会合が開かれ、9月中をめどに今後の方針が取りまとめられることになりました。

政府は、ことし2月以降、新型コロナウイルス感染症を「指定感染症」とし、感染した人に対する入院勧告や全員の感染経路などの調査を行っていますが、無症状や軽症の人も多いことなどから、医療機関や調査を行う保健所の負担が大きいことが課題になっています。

こうした現状の課題や今後の対応の見直しについて検討する専門家のワーキンググループが厚生労働省に設置され9月10日、初会合が開かれました。

会合では、政府の対策本部が、重症者の対応に重点を置く方向性を示したのを受けて、軽症や無症状の人は原則、施設や自宅での療養とする際に配慮すべき点や、インフルエンザと同時に流行した際に、見分けがつきにくい発熱やせきをしている患者にどう対応すべきかといった点について意見が交わされたということです。

ワーキンググループは、9月中に今後の対応のあり方について方針をとりまとめる見通しで、厚生労働省は、10月上旬には新たな方針での運用を始めたいとしています。

加藤厚労相「できるだけ速やかに結論出したい」

加藤厚生労働大臣は、初会合の冒頭、「医療機関や保健所の負担軽減を図る必要があるとの観点から、『指定感染症』の指定を取りやめるのではなく、講じることができる措置の具体的な対応について、よりきめ細かく規定するなど、政令の見直しを検討していく必要がある。インフルエンザの流行期を見据えながら、できるだけ速やかに結論を出したい」と述べました。