これが小さな夢だったと思えるほど、大きな選手になりたい

山下立真

ウエイトリフティング

ウエイトリフティング男子67キロ級で全国高校総体3連覇を目指していた石川県立飯田高校3年の山下立真。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大会が中止となり、夢は絶たれた。

「まさかこんなことになるとは思わなかった。びっくりというか、悔しかった」

ショックを隠せなかった山下。地元のクラブで幼いころから山下を指導する浅田久美(旧姓 長谷場)は、一日も早く気持ちを切り替えるよう励ました。

「次を目指して、その時に、なんて小さなことにこだわっていたんだろうなと思えるような、将来そういう選手になって、まだまだ子どもだったなって、そんな話ができるようになったらいいね、これだけがすべてじゃないんだからと伝えた」

浅田はウエイトリフティングの元女子日本代表監督。現役時代は、世界選手権で銀メダルを獲得するなど活躍した。オリンピック出場は叶わなかったが、その夢を、教え子たちに託している。中でも山下は今までのウエイトリフティング界で10本の指に入る選手と期待をかける。

「彼らが今、成長するひとつのチャンスでもあるかなと、そんな風にとらえると、この時期もひょっとしたら長い目で見て、将来一流を目指す子どもたちにとっては、試練を乗り越えるべき時なのかと」

浅田の思いを受け取った山下。秋に予定されている国体3連覇という新たな目標に向け歩み始めた。

「浅田先生と話し合って、これで終わりではないので、もっと大きな目標を立てて、これが小さな夢だったと思えるくらい大きな選手になりたい。悔しいのは自分だけではなく、全国の選手みんながそうだと思うので、しっかりとその人たちに負けないよう頑張りたい」

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