自分自身を自分で鍛えてほしい

イチロー

野球

2019年12月22日。現役を引退したイチローの姿が、出身地の愛知県豊山町にあった。
この年限りで終わることになった少年野球大会“イチロー杯”の最後の表彰式に出席。
子どもたちに贈ったメッセージは“今の時代”を強く意識したものだった。

「厳しく教育するのが難しくなっているらしい中学校、高校、大学。
社会人になる前に経験する時間、そこで“自分自身を自分で鍛えてほしい”というふうに今、そのことがすごく大事な事だと思います。
厳しく教えることが難しい時代に、じゃあ誰が教育をするのかというと、最終的には、自分で自分のことを教育しなくてはいけない。
そういう時代に入ってきたんだなというふうに思います」

そしてスマホの普及などで簡単に多くの情報知識を得られるようになった今だからこそ、“体験”することの大切さを伝えた。

「僕が27、28の歳にアメリカに渡って大リーグに挑戦したわけなんだけれども、外に出て初めてわかること。調べれば知識としてわかることであっても、行ってみてはじめて分かることってたくさんあって、それは、野球の狭い世界だったんだけれども、やっぱり外に出て、傷つくことだってあるし、楽しいことももちろんいっぱいある。勉強することはいっぱいありました。
それを知識として持っておくのではなくて、体験して感じてほしい。
それで自分なりに解釈して、自分が育った日本という国は素晴らしいということを外に出ればすごく感じると思う。
そういう経験をできれば将来、みんなにはしてほしいな、というふうに思います。
今まであった当たり前のものというのは、決して当たり前ではないというふうに気づく。
価値観が変わるような出来事を、みんなに体感してほしいというふうに思います」

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