「信念」と「自信」ができた

ラグビーW杯2019日本代表

ラグビー

2019年ラグビーワールドカップで、史上初のベスト8進出を果たした日本代表。
歴史的な快挙を成し遂げることができた理由は、指揮官や選手たちの力強い“ことば”からもうかがい知ることができる。
日本の1次リーグの第2戦は、強豪アイルランドとの対戦。世界ランキング1位で開幕を迎えたアイルランドは、初戦で強豪のスコットランドに快勝。日本の勝利は難しいだろうというのが大方の予想だった。試合前、ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフは、“積み上げてきたものを信じる強さ”を選手に伝えた。

「誰も日本が勝てると思っていない。接戦になるとさえ思っていない。どれだけのハードワークをし、どれだけの犠牲を払ってきたかも知らない。でも、全員やるべきことは分かっている。一切おそれはない。お互いを信頼している。みんなを信じている」

選手はアイルランドに真っ向からぶつかった。
出足の鋭いタックル、そして驚異的な粘りのディフェンスを発揮。
接戦を制し歴史的勝利をつかんだ。
日本は、その後、サモア、そしてスコットランドにも勝利し、4連勝で史上初のベスト8を達成。
質の高いプレーを続けた選手たちのことばにも、自信があふれた。
センターの中村亮土は…

「全員がゲームプランを信じて、自分たちの役割を遂行できている。信じる力はすごい」

迎えた準々決勝、南アフリカ戦。
主将のリーチ マイケルは、日本代表の代名詞ともなった「ONE TEAM(=ワンチーム)」で戦いに臨む決意を、“刀”に例えてチームに伝えていた。

「僕たちが作ったワンチームソード。この刀を強くするために何回も火に入れ、何回もたたかないといけなかった。世界でいちばん強い刀だ。でも、剣士がよくないとこの刀がダメになる。80分間振り続ける覚悟を持たないといけない」

日本は、南アフリカに敗れた。しかし、選手たちは試合が残り時間が僅かになり、勝ち目がなくなっても、粘り強いディフェンスを止めることはなかった。それは厳しい合宿や大会を通して培った“ラグビーと向き合う覚悟”を最後まで持ち続けた証だった。
試合後、ジェイミーが語った。

「選手たちはメンタリティーが変わり“信念”と“自信”ができた。自分のしていることに対していかなる状態であっても自信を持つことができた。それがいちばん大きな達成だ」

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