アイデンティティを持って戦うというのは本当に面白い

ザンダー・シャフリー

ゴルフ

東京オリンピックのゴルフ男子で金メダルを獲得したのがアメリカ代表のザンダー・シャフリーだ。

「日本に来てスーツケースを開けると、いつも自分がどこから来たのかわかる匂いがする」

母親は日本で生まれ育ち、祖父母がいまも東京で暮らしているシャフリーは、大の親日家だ。その日本で行われたオリンピックでは、第2ラウンドで首位に立つと、単独首位を守ったまま最終ラウンドは日本の松山英樹などと同じ組で回った。

後半、ショットが乱れて林に打ち込むトラブルもあり、一時は首位に並ばれた。それでも終盤の17番でバーディーを奪って突き放し、見事、金メダルを獲得した。

終了後の記者会見で穏やかな表情を見せたシャフリーは「日本で松山選手よりも僕を応援していたのは祖父母だけだったかもしれないね」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

世界のトップランカーとして臨んだ、日本でのオリンピックには人一倍の思いがあり、オリンピックは特別な舞台だと強調した。

「それぞれのアイデンティティを持って戦うというのは本当に面白い。僕はアメリカを代表して、自分のパフォーマンスを見せたが、みんなが自分の国に誇りを持っている、オリンピックは色々な文化が混じり合う国際的な戦いなんだ」

母国の代表として、ゆかりのある日本で勝ち取った金メダル。
シャフリーはあらためて日本への思いを語った。

「ここでの経験は本当にすばらしかった。全ての選手を代表して言いたいが、日本の文化はすばらしく、みんなが親切で敬意を払ってくれて本当に感謝している」

日本での思い出を加えた親日家は、また少し、日本への思いを強くして、戦いの舞台に戻っていった。

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