なりたい自分に近づけている

中西麻耶

パラ陸上

最高の笑顔がはじけた。
2019年11月11日。UAE=アラブ首長国連邦のドバイで行われたパラ陸上世界選手権、女子走り幅跳び決勝。4位で迎えた最後の6回目だった。
記録は、今シーズンのベストとなる5メートル37センチ。
逆転で、初の金メダルをつかみとった。

「なりたい自分に近づけているということを支えに頑張りたい」

中西麻耶は2006年、21歳の時に仕事中の事故で右足を切断。人生が大きく変わった。
パラリンピックに出場するなど義足のアスリートとして活躍する一方、競技の活動資金を集めるためセミヌードのカレンダーを販売したこともあった。
ロンドンパラリンピックのあとは、一時競技を離れた。しかし諦められなかった。

「夢がかなうまで、とにかく何回もチャレンジして、チャレンジしてチャレンジし尽くすのが、自分」

競技に復帰し、再び挑戦の日々に。
記録が伸び悩み、孤独を感じた時はたくさんあった。
それでも強い気持ちで戦い続けている。

「最後に最高のジャンプができたのは、なかなか自分を褒めない自分でも、しっかり褒めることができる」

パラ陸上