オハイオ州(中西部)

中西部オハイオ州は、人口が1100万人と全米で7番目に多い州で、18人の選挙人が割り当てられています。人種の構成や産業の分布が全米の平均値に近いことから、「アメリカの縮図」とも呼ばれています。

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1964年以降の大統領選挙では、オハイオ州を制した候補者が大統領に就任しています。とりわけ、共和党の歴代の大統領は全員、オハイオ州で勝利を収めていることから、オハイオ州を落とせば当選はできないとまで言われています。このため、共和党は、ことしの全国党大会をオハイオ州で行ったほか、両候補ともオハイオ州を重要な州として位置づけて、頻繁に現地を訪れて遊説を行い、支持拡大を図っています。

オハイオ州は、かつて、鉄鋼や重工業が盛んだった地域「ラストベルト」の一部で労働者層も多く、自由貿易によってアメリカの製造業が落ち込み、雇用を奪われたと感じている有権者は少なくありません。共和党のトランプ氏は、アメリカの雇用を守るために、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱など、自由貿易の協定を見直す姿勢を示して、自由貿易に不満をもつ有権者への支持拡大を図ろうとしているのに対し、民主党のクリントン氏は、トランプ氏が大統領になったら景気は後退し、労働者層を痛めつけることになるなどと訴えています。

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