約1兆円の財源は結論先送り

最終更新日:2016年4月11日

財務省の試算では、軽減税率の対象品目が「酒類」と「外食」を除いた飲食料品とした場合の減収は、年間約1兆円と見込んでいます。政府は、約1兆円の財源は、平成28年度末までに法制上の措置などを講じて安定的な恒久財源を確保するとして、結論を先送りしました。

6000億円が不足

消費税率の引き上げによる増収分は、平成24年(2012年)に民主・自民・公明の3党合意で、年金、医療、介護、子育てなどの社会保障の財源に充てることが決まり、使いみちの1つに、消費税率の引き上げに伴う低所得者の負担軽減策として約4000億円が盛りこまれています。

政府は、軽減税率の導入に伴う減収分として、この財源を充てることにしていますが、それでも6000億円足らないことになります。このため、今後、追加の安定財源をどのようにして捻出するのかが大きな課題となります。

「たばこ税の増税」や「税収の上振れ分を充当」など、財源候補はいろいろ取りざたされていますが、たばこの生産農家の反発、そして、税収が下振れした場合どうするのかといった問題に突き当たります。

財政健全化への影響は

先進国で最悪の水準にある財政健全化の観点でも影響が懸念されます。

内閣府は、軽減税率の導入で、約6000億円の財源をまだ確保できていないことから、財政健全化に向けて黒字化を目指している2020年度の基礎的財政収支の赤字が6兆5000億円と、これまでの見通しより拡大するという試算をまとめました。

去年7月の試算では、2020年度の基礎的財政収支が6兆2000億円の赤字となるとしていたため、3000億円赤字が拡大した形です。政府の財政健全化目標への道のりの険しさが表れた形で、財政健全化に向けたいっそうの取り組みが求められることになります。

対象品目と減収額

財務省は、軽減税率を導入する場合の対象を食料品や飲料として、品目をどこまで認めるか8つのケースを示し、それぞれのケースで、消費税率を1%低くした場合と2%低くした場合の減収額を試算していました。