今さら聞けないTPP 基本がわかる18のカード

農林水産物 約82%で関税撤廃

最終更新日:2016年4月8日

TPPの大筋合意によって日本が輸入している2594品目の農林水産物のうち、2135品目で関税が撤廃され、その割合は約82%となっています。また、過去のEPA=経済連携協定では一度も関税が撤廃されなかった901品目のうち、446品目は今回、TPPで初めて関税を撤廃します。

肉加工品など

ソーセージは現在の10%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、6年目に撤廃されます。昨年度、国内に流通したソーセージは約12%が輸入品となっています。このうち、TPP参加国からの輸入はほとんどがアメリカからで、輸入品全体の24%を占めています。

牛タンは、現在の12.8%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、11年目に撤廃されます。昨年度、国内に流通した牛タンは約97%が海外から輸入されたものです。このうち、およそ99%がアメリカやオーストラリア、ニュージーランドなどTPP参加国からです。

鶏肉は、11年目までに関税を撤廃します。

果物

生の果物はすべての品目で関税を撤廃します。

オレンジは、国内のかんきつ類の生産が盛んになる冬から春にかけて関税を高くする「季節関税」が導入されています。現在の関税は、▽6月から11月までが16%、▽みかんなど国内のかんきつ類の生産がピークを迎える12月から翌年の5月までは32%となっていますが、交渉の結果、税率は発効時から段階的に引き下げられ、8年目以降すべての関税が撤廃されます。オレンジは年間約10万トンが輸入されており、TPP参加国のアメリカとオーストラリアが輸入先の9割以上を占めています。

ブドウは国産の収穫の時期に主に重なる3月から10月は17%、このほかの11月から2月は7.8%の関税がかけられていますが、協定の発効後、すぐに撤廃されます。そのまま食べる果物として国内に流通している輸入のブドウは、ほとんどがチリやアメリカなどのTPP参加国から輸入されていて、流通全体に占める割合は約9%です。

リンゴは、現在17%かけられている関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、発効から11年目に撤廃されます。ただ、そのまま食べる果物として国内に流通しているリンゴはほとんどが国内産です。輸入されるリンゴは、ほとんどがTPP参加国のものですが、流通全体に占める割合は0.1%にとどまっています。

野菜

野菜もすべての品目で関税を撤廃します。

このうち、キャベツや、ほうれんそうトマトなど、多くの野菜にかけている3%の関税は協定発効後すぐに撤廃します。TPP参加国からの輸入実績が多いブロッコリーアスパラガスも含まれます。

一方、国産と競合することなどから、年数をかけて撤廃するものもあります。例えば、8.5%などの関税がかかっているたまねぎは6年目に撤廃されます。8.5%の関税がかかっているフライドポテト向けに加工したじゃがいもは4年目に撤廃します。

水産物

TPP参加国から日本に輸入される527品目のうち、のりや昆布、ひじき、わかめなど10品目を除いて関税が撤廃されます。

すしネタとして人気のマグロは現在3.5%の関税がかけられていますが、発効から税率が段階的に引き下げられ11年目以降は撤廃されます。おととし、国内で消費されたマグロのうち、金額でみると全体の65%は海外から輸入されたもので、このうちオーストラリアやメキシコなどTPP参加国からの輸入は18%を占めています。

すけそうだらのすり身まぐろ缶詰ひらめかれいにしんえびは、すぐに撤廃。めばちまぐろは11年目に撤廃。あじさばが16年目に撤廃されます。

輸入ワイン

輸入ワインについては、1リットル当たり125円、または、15%のいずれか低い方の関税が適用されていますが、協定の発効後8年目以降は関税が撤廃されることが決まりました。

チョコレート菓子など

チョコレート菓子には、現在、10%の関税がかけられています。今回の合意で、TPP参加国からの毎年の輸入量に匹敵する9100トンに関税がかからない輸入枠が設けられます。この枠は11年目には1万8000トンまで拡大されます。

アイスクリームは、現在21%から29.8%かけられている関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、6年目には7%から9.8%になります。日本が輸入するアイスクリームのうち、約70%がニュージーランドやアメリカなどTPPの参加国からの輸入です。

スイートビスケットと呼ばれる糖分が多いビスケットは、現在の20.4%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ11年目に撤廃されます。それ以外のビスケットクッキーは、現在の15%の関税が協定の発効後、段階的に引き下げられ、6年目に撤廃されます。日本国内で流通するビスケットやクッキーのうち6%が輸入品で、このうち、マレーシアやベトナムなどTPPの参加国が34.5%を占めています。

緑茶は、現在の17%の関税が発効から6年目に撤廃されます。日本国内で流通する緑茶のうち、約5%が輸入品で、中国産が多くを占めていて、オーストラリアやベトナムなどTPPの参加国からの輸入品は12%となっています。

天然のはちみつは、現在の25.5%の関税が、発効から8年目に撤廃されます。日本で流通するはちみつの約93%は輸入品です。このうち、カナダやニュージーランドなどTPPの参加国からは9%が輸入されています。

マーガリンは、現在の29.8%の関税が、発効から6年目に撤廃されます。日本で流通するマーガリンのうち約6%は輸入品で、このうち、アメリカやカナダなどTPP参加国からは99%が輸入されています。

日本から輸出する際の関税

日本がTPP参加国に輸出する際にかかっている農林水産物の関税の撤廃率は、11か国全体で98.5%となっています。

コメの輸出総額(約14億円)のうち、TPP参加国向けは、シンガポールやアメリカ向けなどを中心に4億円となっていて全体の34%を占めています。このうち、アメリカが日本のコメにかけている1キロ当たり1.4セントの関税は協定発効後、5年目に撤廃されます。

牛肉の輸出総額(約81億円)のうち、TPP参加国向けは主にアメリカとシンガポール向けの21億円で全体の26%を占めています。このうち、アメリカがかけている26.4%の関税は、協定発効から15年目に撤廃されます。

しょうゆの輸出総額(約51億円)のうち、TPP参加国向けはアメリカとオーストラリア向けなどの19億円で、全体の37%を占めています。このうち、アメリカがかけている3%の関税は発効から5年目に撤廃されます。

みその輸出総額(約25億円)のうち、TPP参加国向けはアメリカとシンガポール向けなど11億円で全体の45%を占めています。このうち、アメリカがかけている6.4%の関税は5年目に撤廃されます。

日本酒の輸出総額(約115億円)のうち、TPP参加国向けはアメリカとシンガポールなど55億円で全体の48%を占めています。このうち、アメリカがかけている1リットル当たり3セントの関税は発効後すぐに撤廃されます。

一方、アメリカ以外では、ベトナムがブリやサバ、それにサンマなどすべての生鮮および冷凍の魚にかけている最大で15%の関税が協定発効後、すぐに撤廃されます。