フーシ派 空爆に弾道ミサイルで反撃 攻撃の応酬激化に懸念

イスラエル軍が中東イエメンの反政府勢力フーシ派の拠点を空爆したのに対し、フーシ派は弾道ミサイルを発射して反撃しました。

イスラエル軍がイエメンを空爆したと明らかにしたのは初めてだと現地のメディアは伝えていて、攻撃の応酬がさらに激しくなる懸念が出ています。

イスラエル軍は20日、イエメン西部ホデイダにある反政府勢力フーシ派の拠点を空爆したと発表しました。

攻撃についてイスラエルは、7月19日にフーシ派がイスラエル最大の商業都市テルアビブの中心部を無人機で攻撃したことなどへの対抗措置として武器の搬入に使われていたホデイダの港を攻撃したとしています。

フーシ派はこの空爆で発電所などの民間施設が破壊されたと主張していて、イエメンのメディアは3人が死亡し87人がけがをしたと伝えています。

イスラエルのメディアはイスラエル軍がイエメンを空爆したと明らかにしたのは初めてだと伝えています。

一方、フーシ派は21日、イスラエル南部に向けて弾道ミサイルを発射し、イスラエル軍はこれを上空で迎撃したと発表しています。

フーシ派はガザ地区でイスラエル軍と戦うイスラム組織ハマスとの連帯を示していて、ガザ地区での戦闘が続くかぎりイスラエルへの攻撃を続けるとしています。

また、イスラエルの隣国のレバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラも連日、イスラエル北部にロケット弾などを発射していて、中東地域での攻撃の応酬がさらに激しくなる懸念が出ています。

イスラエル軍は21日もガザ地区中部などで攻撃を行い、パレスチナのメディアは住宅が爆撃されるなどして11人が死亡したと伝えていて、ガザ地区の保健当局は、これまでの死者が3万8919人に上っていると発表しています。

ネタニヤフ首相 23日にバイデン大統領と会談へ

イスラエルの首相府はアメリカを訪問する予定のネタニヤフ首相が、23日にバイデン大統領と会談すると発表しました。

ネタニヤフ首相がアメリカを訪れるのはイスラム組織ハマスとの一連の衝突が始まって以降、初めてで、24日にはアメリカ議会で演説をすることになっています。

バイデン大統領は、新型コロナウイルスに感染したため続けてきた自主隔離を近く終える見通しです。

ガザ地区での停戦や人質の解放に向けた交渉が停滞する中、強硬姿勢をくずさないネタニヤフ首相にバイデン大統領がどのような働きかけを行い、事態の打開につなげられるのか注目されています。

空爆で亡くなった妊婦から赤ちゃんが手術で取り上げられる

19日、ガザ地区中部でイスラエル軍の空爆で亡くなった妊娠9か月の女性から男の赤ちゃんが医師の手術で取り上げられ、一命を取り留めました。

AP通信が伝えた映像には、まだ目の開いていない赤ちゃんが保育器の中で手足を動かす様子が写っています。

AP通信によりますと、亡くなった妊婦の家族も4か月前に空爆で死亡していたということです。