“バイデン大統領の家族が選挙戦撤退を話し合った” 米報道

アメリカのバイデン大統領に対して選挙戦からの撤退圧力が強まる中、バイデン氏自身は選挙戦を続ける意向を強調しています。
一方でアメリカのメディアは、バイデン氏自身が撤退を決めた場合にどう選挙戦を終わらせるかについて、家族が話し合ったと伝えました。

アメリカのNBCテレビは19日、複数の関係者の話として、バイデン大統領の家族が、選挙戦から撤退するとすればどのような形になるか話し合ったと伝えました。

具体的にはバイデン氏が撤退を決めた場合、野党・共和党の大統領候補のトランプ前大統領を打ち負かすため、民主党にとって最良の方法にするということや、政治家として50年以上のキャリアを積んだバイデン氏にふさわしいかたちであるべきだといった内容が話し合われたということです。

ただ、ホワイトハウスの報道担当者は家族が選挙戦の終わらせ方について話し合ったという事実はないと否定しています。

“クリントン元大統領夫妻はバイデン氏支援” 米メディア

アメリカの複数のメディアは20日、関係者の話として、クリントン元大統領と、妻のヒラリー・クリントン元国務長官が、ここ数週間、支持者に対してバイデン氏への献金を呼びかけるなど、バイデン氏を支援していると伝えました。

このうちCNNテレビは、クリントン夫妻は、バイデン氏自身が撤退を決めるか、党の大統領候補を決める「代議員」がほかの人を選ばないかぎり、バイデン氏が党の候補者であるという考えを示していると伝えています。

バイデン氏本人は選挙戦継続の意向を改めて強調

また、新型コロナウイルスに感染して自主隔離を続けているバイデン氏本人は19日、声明を発表し、選挙戦を継続する意向を改めて強調しています。

バイデン氏の主治医は20日、声明を発表し、バイデン氏は咳などの症状があるものの、快方に向かっていると説明しています。

アメリカのメディアは、バイデン氏が撤退するかどうか、この数日間が大きなヤマ場になるとの見方を伝えていて、バイデン氏の言動が注目されています。

バイデン氏の撤退求め 民主党支持者がデモ

アメリカの首都ワシントンのホワイトハウス前には20日、民主党の支持者およそ70人が集まりました。

デモを呼びかけた民主党員の男性は「国はいま重大なときにある。民主党の強い候補者が必要だ。トランプ氏を打ち負かすためにはバイデン氏は最良の候補者でない」と訴えました。

参加者は「パス・ザ・トーチ=後継者にバトンを渡せ」と書かれたプラカードを掲げ、バイデン氏に対して速やかに撤退し、別の候補者に道を譲るべきだと声をあげました。

ミシガン州から車で8時間かけて参加したという30代の男性は「バイデン氏は大統領としてすばらしいことを成し遂げ、誇りに思っているが、今こそ若い世代に率いてもらう時だ。民主党の全国党大会までまだ時間はあり、最も良い候補者を立てるべきだ」と話していました。

地元の20代の女性は、バイデン氏が選挙戦を継続し、トランプ氏と対決した場合について「史上、最も悲劇的な選挙になるだろう。バイデン氏は惨敗し、国や民主党にとってひどいことになる」と話していました。