松山 土砂崩れ 大雨被害の修復工事まで1年近く 市が対応検証へ

今月12日、松山市の松山城がある山で発生した、3人が死亡した土砂崩れで、頂上付近で去年、確認されていた大雨による被害の修復工事まで1年近くかかったことについて、市が「国の史跡のため文化庁の許可が必要だった」などと説明しているのに対し、文化庁は「災害など緊急時は、速やかに工事を認めている」としています。市は、当時の対応などについて検証することにしています。

今月12日、松山市の松山城がある山の斜面が崩れ、ふもとの木造住宅に住む家族3人が巻き込まれて死亡した土砂崩れでは、山の頂上付近の緊急車両用の道路で、去年7月に大雨による亀裂が確認されたため今月から修復工事が行われていて、土砂崩れとの関連が調査されています。

16日、松山市の野志市長は、工事を始めるまでに1年近くかかった理由について、「国の史跡であるため、発掘調査など文化庁の許可が必要だった。市としては早く工事をしたい思いがあった」などと説明しました。

一方、文化庁によりますと、国の史跡の工事などは有識者による審議会を踏まえた文化庁の許可が必要ですが、災害など緊急性が高い工事は、こうした手続きを経ずに実施が認められるということです。

文化庁は、「今月1日に松山市から大きな亀裂があったという連絡を受けるまでは、緊急性が高いという申し出はなかった」としています。

市の市街地整備課は、「斜面の状況を注視していて緊急性が高い状況にあるとは判断していなかった。通常の手続きで進めた対応に問題はなかったと考えている」と話していますが、当時の対応などについて改めて検証することにしています。