“認知症の人のための商品などを当事者とともに開発”動き拡大

認知症の人が使いやすい商品やサービスを企業が当事者とともに開発する動きが出ています。

経済産業省は3年前から企業と認知症の人などの団体を結び付ける取り組み「オレンジイノベーション・プロジェクト」を進めています。

企業が、認知症の人が使いやすい商品やサービスを当事者とともに開発する取り組みで今年度は、昨年度の2倍となるおよそ40社が参加する予定です。

これまでに参加した企業のうち、都内のスタートアップ企業では認知症の人の買い物を支援するため新たなサービスを開発しました。

家族などが専用のアプリであらかじめプリペイドカードの限度額を設定して使いすぎを防止できるほか、カードを紛失した場合もすぐに利用を停止できます。

また、都内の音響機器メーカーは音声を聞きやすくするイヤホンやマイクが付いた携帯型の機器を開発しましたが、認知症の人にも使いやすいよう改良に取り組んでいます。

認知症の人からは操作が難しいという声や機器に記されている電源や音量などの文字が小さくて読みにくいという指摘があったということで現在、開発に向けた検討を進めています。

日本総合研究所の紀伊信之プリンシパルは「認知症の人たちの声をしっかり聞くことが商品づくりにもつながる。社会課題の解決とビジネスは両立できる時代になってきている」と話しています。

経済産業省「共生社会の実現にもつながる」

経済産業省は「企業が社会貢献だけでなく、ビジネスとして継続できるソリューションを開発しそれが普及することで、共生社会の実現にもつながる」としています。