バイデン大統領 撤退圧力のなか演説 選挙戦の継続 重ねて示す

アメリカ大統領選挙で選挙戦からの撤退圧力にさらされているバイデン大統領は、激戦が見込まれる中西部ミシガン州で演説し、選挙戦を継続する考えを重ねて示しました。選挙集会などを通じて、自身に対する懸念を払拭(ふっしょく)したい考えです。

11月の大統領選挙に向けて、与党 民主党内から撤退を求める声が相次いでいるバイデン大統領は、12日に共和党のトランプ前大統領との激戦が見込まれる中西部ミシガン州で選挙集会を開きました。

演説でバイデン大統領は「最近、さまざまな臆測が飛び交っている。『バイデンはどうするのか。選挙戦に残るのか。撤退するのか』と。私は選挙戦を続け、勝つつもりだ」と述べて、選挙戦を継続する考えを重ねて示しました。

また、前日の記者会見で、ハリス副大統領をトランプ氏と言い間違え、大きく報じられたことを念頭に「人々は、私がいかに名前を混同したかを話したがる」と述べたうえで、トランプ氏もかつてヘイリー元国連大使とペロシ元下院議長とを言い間違えたと指摘しました。

バイデン大統領の陣営によりますと、この日はおよそ2000人の支持者が集まり、会場からは「やめるな」という声が繰り返し上がりました。

一方、会場の外には、バイデン大統領に撤退を求める民主党支持者もいました。

バイデン大統領は、この日の演説では声を張り上げる場面も目立ち、選挙集会などを通じて、自身に対する懸念を払拭したい考えです。

集会の会場前には撤退求める民主党支持者も

バイデン大統領の集会に参加した男性は「バイデン大統領は能力の高い人物だ。撤退する必要はないし、トランプ氏を倒すことができる」と話し、選挙戦の継続を支持しました。

一方、集会の会場の前には、バイデン氏に撤退を求める民主党支持者の男性が来ていました。

この男性が持っている横断幕には「パス・ザ・トーチ、ジョー」「バイデン大統領は後継者にバトンを渡せ」と書かれていました。

この男性は、テレビ討論会でのバイデン大統領の様子を見て、トランプ氏には勝てないという思いを強くしたといい、「バイデン大統領が大統領候補であり続けるならば、大敗するだろう。これまで50年間、民主党の大統領候補を支持してきたが、このままなら支持しない」と話していました。

テレビ討論会以後 撤退求める民主党議員は20人に

6月に開かれたテレビ討論会のあと、バイデン大統領に対して、選挙戦からの撤退圧力は高まる一方で、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは12日、大統領に撤退を求める民主党の議員は上下両院で合わせて20人になったと伝えました。

それによりますと、7月に入ってから10日までの間に、上院で1人と下院で9人の合わせて10人が大統領の撤退を求めたということです。

さらに、NATO首脳会議のあと、ウクライナのゼレンスキー大統領をロシアのプーチン大統領と紹介したり、記者会見でハリス副大統領をトランプ氏と呼んだりするなど、言い間違えが相次いだ11日には、さらに8人の議員が、翌12日にも2人の議員が、新たに撤退を求めたということです。