新潟・福島豪雨20年 新潟 三条市では“確実な避難”へ取り組み

新潟県と福島県で合わせて16人が亡くなった平成16年の「新潟・福島豪雨」から20年です。高齢者を中心に大きな被害が出た新潟県三条市では確実な避難に向けた取り組みを地域ぐるみで進めています。

平成16年7月の「新潟・福島豪雨」で、新潟県では7月13日の雨量が400ミリを超える記録的な大雨となり、堤防が決壊するなどして、住宅およそ1万4000棟に浸水などの被害が出ました。

新潟県内の死者は高齢者を中心とした15人で、行政の避難情報が住民に十分に届かなかったほか、避難の仕組みも整っていなかったことが課題として指摘されました。

このため被害の大きかった三条市は、防災行政無線の整備のほか、災害時に支援が必要な高齢者などの名簿の効果的な共有を、全国に先駆けて進めました。

さらに、地域でも確実な避難につなげるための取り組みが続けられています。

三条市西四日町の自主防災会は、研修会で当時の教訓を伝えるとともに、名簿をもとに地域の人が高齢者に連絡をとって、避難を呼びかける訓練などを行っています。

三条市西四日町自主防災会の堀善一会長は「災害の記憶を伝えつつ、顔の見える災害に強い地域を作りたい」と話していました。

三条市の防災対策総合アドバイザーを務める、東京大学大学院の片田敏孝特任教授は「各地で豪雨災害が相次ぐ中、行政と住民が協力してもう一度意識を高め、対策を強化する必要がある」と話していました。