“ODA 民間投資拡大へ 仕組み導入すべき” 外務省の有識者会議

国の厳しい財政状況を背景にODA=政府開発援助の予算が限られる一方、途上国でも気候変動対策など新たな資金需要が高まっていることから、外務省の有識者会議は民間投資の拡大につながる支援の仕組みを導入すべきとする提言をまとめました。

日本の今年度のODA予算は、国の厳しい財政状況を背景におよそ5650億円とピークの1997年度の半分程度に減っています。

一方で、途上国でも気候変動対策などの世界的な課題に対処するための資金需要が高まっていて、途上国への支援のあり方を検討する外務省の有識者会議は、民間投資の拡大に向けた提言をまとめ、12日、上川外務大臣に手渡しました。

それによりますと、ODAに加えて、民間からの投資の重要性が高まっているとしたうえで、投資の拡大には、相互の連携強化が必要だと指摘しています。

そのうえで、リスクが高く、民間投資のみで実現が難しいプロジェクトなどに対して、公的資金も活用できる融資や保証の制度や、社会課題の解決につながる企業の事業には成果に応じて国が資金支援する仕組みなどを導入すべきとしています。

提言を受け取った上川大臣は「世界的な課題の解決に企業も投資によって積極的な役割を果たしているが、この動きの速さに日本も乗り遅れてはならないと考えている」と述べたうえで、関係する法律の改正を含め、ODAのあり方を抜本的に見直していく考えを示しました。