岸田首相 NATO首脳会議終えドイツへ出発 ショルツ首相と会談へ

岸田総理大臣は、NATOの首脳会議などアメリカでの一連の日程を終え、次の訪問先のドイツに向けて出発しました。日本時間の13日未明にショルツ首相と会談し、経済安全保障分野での新たな協力の枠組みを設けることで合意する見通しです。

10日からアメリカを訪れていた岸田総理大臣は、NATOの首脳会議に韓国などのパートナー国とともに出席し、今後も連携してウクライナ支援にあたっていくことや、サイバー防衛や偽情報対策など安全保障分野で協力していくことを確認しました。

また、日本とNATOとの間でも、新たな安全保障協力を進めていくことで合意し、自衛隊とNATOの部隊による共同訓練を実施することになりました。

岸田総理大臣は、一連の日程を終えたあと、現地で記者団に対し「地域を越えた同志国の連携の重要性を改めて確認し、日本とNATOの協力関係をいっそう強化することで一致した。インド太平洋地域のパートナー国とNATOとの持続的な協力の確立についても確認したことは成果だ」と述べました。

そして日本時間の12日午前9時すぎ、次の訪問先のドイツに向けて出発しました。

日本時間の13日未明にショルツ首相との首脳会談に臨み、中国による経済的威圧も念頭に経済安全保障分野での新たな協力の枠組みを設けることで合意する見通しです。

イギリス 今月就任のスターマー首相と会談

アメリカを訪れた岸田総理大臣は、今月新たに就任したイギリスのスターマー首相と日本時間の12日朝6時ごろからおよそ20分間、初めて対面で会談しました。

会談で両首脳は、日英関係をいっそう強化し国際社会の課題にともに取り組むことを確認しました。

そのうえで、ヨーロッパとインド太平洋地域の安全保障は不可分であり、同志国の連携が重要だとして、次期戦闘機の開発など安全保障分野に加え、AIや経済などを含めた幅広い分野で協力を進めていくことで一致しました。

また、両首脳は地域情勢についても意見を交わし、ウクライナへの強力な支援とロシアに対する厳しい制裁を継続するとともに、中東情勢や北朝鮮情勢をめぐる対応でも緊密に連携していくことを確認しました。

NATO加盟のフィンランド大統領と会談

アメリカを訪れている岸田総理大臣は、去年4月にNATOに加盟したフィンランドのストゥブ大統領と日本時間の12日未明、会談しました。

この中で両首脳は、欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分になっているという認識を共有し、ロシアによるウクライナ侵攻への対応に加え、北朝鮮を含めた東アジア情勢をめぐる課題などでも緊密に連携していくことで一致しました。

そして、防衛装備品など安全保障分野や情報通信技術などの先端分野で協力を進めていくことも申し合わせました。

また、岸田総理大臣は今月新たに就任したオランダのスホーフ首相とも会談し、来年はオランダがNATOの首脳会議を開催することを踏まえ、連携を強化していくことで一致しました。

バイデン大統領とは立ち話

アメリカを訪れている岸田総理大臣は、日本時間の11日午後11時半すぎ、NATOの首脳会議に出席する前に、アメリカのバイデン大統領と立ち話を行いました。

この中で岸田総理大臣は会議でのバイデン大統領のリーダーシップに謝意を示すとともに、NATOと、インド太平洋地域のパートナー国である日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4か国との協力が進むことを歓迎する意向を伝えました。

これに対しバイデン大統領は、NATOとの協力も含め日米両国の連携をいっそう強化したいと応じました。