パリパラ トライアスロン代表 宇田秀生「命を削って走りたい」

パリパラリンピックのトライアスロンの代表に内定している選手が会見し、運動機能障害のクラスの東京大会銀メダリストの宇田秀生選手は、「パリに行けない選手の分も命を削って走りたい」と意気込みを話しました。

11日は都内で記者会見が行われ、いずれも運動機能障害のクラスの宇田選手と秦由加子選手、それに視覚障害のクラスの米岡聡選手、車いすのクラスの木村潤平選手のパリ大会の代表に内定している4人が参加しました。

37歳の宇田選手は東京大会で、パラリンピックのトライアスロン競技で日本選手として初めてのメダルとなる銀メダルを獲得しました。

パリ大会は過去の実績などによる推薦枠で内定し「世界ランキング9位と、ランキングによる出場権は獲得できず、半分心が折れかけていたが、神様が最後に招待状を送ってくださり、なんとかパリへの切符を手にすることができた。一緒にやってきた仲間の中にはパリに行けない選手もいるので命を削って走りたい」と意気込みを語りました。

また、東京大会の銅メダリストで38歳の米岡選手は「率直にほっとしている。東京大会からどんどん世界のレベルが上がる中で、ここまで戦ってこれた。最後に選ばれて、失うものは何もないので、チャレンジャーの気持ちでしっかりと準備して全力で戦っていきたい」と力強く話していました。

このほか、3大会連続のパラリンピック出場となる43歳の秦選手は「出場できることがすごくうれしい。1人でも多くの方にレースを見てもらい、力を尽くす姿を見て何かを感じてくれたらすごくうれしい」と話していました。

パリパラリンピックのトライアスロンは、9月1日と2日に行われます。

米岡聡選手とは

トライアスロン男子、視覚障害のクラスの米岡聡選手は神奈川県出身の38歳。2大会連続のパラリンピック出場となります。

10歳の時に網膜剥離を発症し、悪化しないよう激しい運動を避けて生活してきましたが、20歳の時にランニングを始めたのをきっかけに、本格的にマラソンに取り組むようになりました。

さらにステップアップしたいとトライアスロンに挑戦し、2013年から大会に出場、2019年のアジアパラトライアスロン選手権で優勝を果たし東京パラリンピックでは、銅メダルを獲得しました。

パリ大会では、世界ランキングによる出場権獲得はなりませんでしたが、東京大会の実績などが評価され、推薦枠で代表に内定しました。

宇田秀生選手とは

トライアスロン男子、運動機能障害のクラスの宇田秀生選手は滋賀県甲賀市出身の37歳。2大会連続のパラリンピック出場となります。

宇田選手は、小学校からサッカーを始め、高校時代まで県の代表として活躍しました。

大学卒業後、建設会社に就職しましたが、2013年5月に結婚した直後、作業中に機械に挟まれて右腕を失いました。

リハビリの一環としてトライアスロンを始め、2015年のアジア選手権で初優勝。2017年と2018年には世界選手権でいずれも4位となるなど活躍を続けました。

東京パラリンピックではパラリンピックのトライアスロン競技で日本選手として初めてのメダルとなる銀メダルを獲得しました。

パリ大会では、世界ランキングによる出場権獲得はなりませんでしたが、東京大会の実績などが評価され、推薦枠で代表に内定しました。