生後11か月の長男死亡 出産直後から児童相談所が保護 千葉

千葉県船橋市で生後11か月の長男に暴行し死亡させたなどとして母親が逮捕された事件で、亡くなった長男は生まれた直後から児童相談所に保護されていたことが分かりました。長男はおよそ7か月後に両親のもとに戻されましたが、警察はその直後に暴行が始まった可能性があるとみて調べています。

船橋市に住む無職の野中千宙容疑者(26)は、去年3月ごろから自宅などで長男の千巴弥さんに対し、顔を手で殴るなどの暴行を加え、生後11か月になった7月に死亡させたとして、傷害致死などの疑いで警察に逮捕されました。

容疑者は長男を出産したおととし8月には家族と千葉市内に住んでいて、妊婦健診を受診していなかったことなどから育児放棄のおそれがあるとして、児童相談所が出産直後から長男を一時保護していたことが市への取材でわかりました。

その後、育児についての指導などを行って、およそ7か月後の去年3月末に児童相談所は長男の帰宅を認め、さらに翌月には一時保護の措置を解除したということです。

一方、警察のこれまでの調べによりますと、長男は去年3月ごろから暴行を受けていたとみられ、警察は長男が児童相談所から戻ってきた直後から暴行が始まった可能性があるとみて詳しく調べています。

千葉市長「当時の対応の確認、検証を」

千葉市の神谷市長は「市の児童相談所では必要な対応がとられ、当時、把握していた情報の中では身体的虐待は確認できていなかったという報告を受けている。ただ、いま一度当時の対応がどうだったのか確認、検証しなければいけないと思っている」と述べ今後、外部の有識者を加えて検証を行う考えを示しました。

千葉県知事「検証委でしっかり検証」

千葉県の熊谷知事は11日の会見で「県の児童相談所は、関係機関と連携し適切に対応したと考えるが、今後、法律や保健福祉の専門家などで構成する児童虐待死亡事例等検証委員会で、しっかり検証していく」と述べました。