NATO首脳会議 本格的な協議へ ウクライナ支援強化で合意見通し

アメリカ・ワシントンで開かれているNATO=北大西洋条約機構の首脳会議では、10日から加盟国首脳らによる協議が本格的に始まり、ウクライナ支援の強化で合意する見通しです。

NATOの首脳会議は9日から11日にかけてワシントンで開かれていて、10日から協議が本格的に行われます。

ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの支援が主な議題で、NATOのストルテンベルグ事務総長は、軍事支援でNATOの役割を強化し、各国の兵器の供与やウクライナ軍兵士の訓練の調整を行うことや、ロシアによる侵攻開始後NATO加盟国が行ってきた年間およそ400億ユーロ、日本円で6兆9000億円を超える規模の軍事支援を、来年も維持することで合意する見通しを示しています。

事務総長は、ことしの春にかけて各国の軍事支援が遅れたことでウクライナが厳しい状況に直面したとして、今回の首脳会議で合意すれば、支援が再び遅れるリスクを最小限に抑えられると強調しています。

首脳会議にはゼレンスキー大統領の出席が予定されているほか、去年リトアニアで開かれた首脳会議に続き、今回も日本を含むインド太平洋の4か国が出席し、サイバーや防衛産業の生産力などの分野で連携強化について話し合います。

バイデン大統領 式典で演説

NATOの首脳会議は9日、開催国・アメリカのバイデン大統領が式典で演説しました。

この中でバイデン大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻が続いていることを踏まえ「歴史の今この瞬間は私たちの力を結集することが求められている。独裁者たちが世界秩序を覆そうとしている」と述べて、加盟国の結束の重要性を強調しました。

そして「ウクライナは私たちが全面的に団結して支援すればプーチンを止めることができる」と述べた上で、「パトリオット」など、防空システム5基をドイツなどと供与すると明らかにし、ウクライナ支援を継続する姿勢を改めて示しました。

また首脳会議に先立ち、ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は、ウクライナ軍を訓練や装備面で支援するため、NATOの新たな司令部をドイツに設置するほか、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドと、ウクライナ支援などで共同の取り組みを始めると明らかにしました。

バイデン大統領は、首脳会議に出席するゼレンスキー大統領と11日に首脳会談を行い、今後の支援について協議する予定です。

バイデン大統領としては自身の年齢に対する不安が広がる中、首脳会議を通じてウクライナ支援などの議論をリードし、国内外に指導力を示したいねらいもあるとみられます。

米メディア「大統領の演説 力強かった」好意的評価

今回のNATO首脳会議では、バイデン大統領の年齢や健康に対する不安も広がるなか、指導力を発揮することができるかにも注目が集まっています。

こうした中、アメリカのメディアは初日の演説について、力強いものだったなどと、おおむね好意的に伝えています。

このうち、政治専門サイト「ポリティコ」は「演説で言いよどみはなかった。明確で力強く、政治家としての経歴を通じて受け入れてきた大西洋主義によって活力を与えられているようだった」と伝えました。

またNBCテレビは「バイデン大統領は目立ったミスもなく、討論会のときに比べて力強い15分間の演説を行った」と報じました。

さらにFOXニュースも「大きなつまずきもなく、力強い演説だった」と評価しました。