中国とフィリピン 領有権争う南シナ海のサンゴ被害 双方が調査

中国政府はフィリピンと領有権を争う南シナ海の岩礁でフィリピン側が意図的に軍艦を座礁させている影響でサンゴが大幅に減少しているなどとする報告書を公表しました。一方、フィリピン側も中国の埋め立てによるサンゴへの被害を調べています。

両国はフィリピンが南シナ海で実効支配するセカンド・トーマス礁をめぐって互いに主権を主張し、対立しています。

中国の自然資源省が8日公表した報告書によりますと、調査はことし4月から6月にかけてセカンド・トーマス礁、中国名、仁愛礁で行われたとしています。

岩礁の北側にはフィリピンが1999年に意図的に座礁させた軍艦が今もそのままとなっていて、兵士が常駐する拠点として活用されています。

報告書では軍艦の半径400メートルの海底を調査した結果、13年前と比べサンゴが覆っている面積が87%余り減少し、ほかの海域よりも大幅に減っているとしています。

また、軍艦の腐食や乗組員の生活排水などで周辺海域の水質も悪化しているとしています。

報告書には海底に捨てられたとみられる漁網や、フィリピン産と書かれたゴミなどの画像も掲載されています。

一方、フィリピン政府も南シナ海の別の海域で中国が埋め立てを行っていると主張し、サンゴへの被害などを調査しています。

フィリピン政府 中国政府の報告書を否定する声明

フィリピン政府は9日、中国政府の報告書を否定する声明を発表し、「虚偽であり、誤った方向に導く典型的なやり方だ」と指摘しました。

その上で、中国こそが違法な漁業などによって南シナ海でさんご礁に深刻な被害を与えていると反論し「中国の国営メディアやいわゆる中国の専門家がフェイクニュースや偽情報を広めている」と指摘し警戒するよう呼びかけました。

また、南シナ海でのさんご礁の被害をめぐって、独立した第三者機関による科学的評価を行うよう求めています。