アメリカの乳牛から検出の鳥インフル“飛まつで感染する性質”

アメリカで乳牛からH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出されている問題について、東京大学などのグループは、イタチの仲間のフェレットを使った実験の結果、このウイルスに飛まつで感染する性質があることが分かったと発表しました。

この研究は、東京大学新世代感染症センターの河岡義裕特任教授らのグループが科学雑誌の「ネイチャー」で発表しました。

アメリカでは、ことし3月以降、テキサス州などの乳牛から高病原性のH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが相次いで検出されていて、ヒトへの感染も確認されています。

グループは、アメリカの乳牛から採取したH5N1型のウイルスをフェレットに感染させ、別のフェレット4匹をそれぞれ感染したフェレットの近くで飼育しました。

そして3週間後に調べたところ、4匹のうち1匹で鳥インフルエンザウイルスの抗体が陽性になっていたということです。

ウイルス自体は検出されませんでした。

グループでは、飼育箱の間に距離をあけていたことなどから、限定的ではあるものの飛まつによる感染が起きたとしています。

グループによりますと、H5N1型のウイルスについてはこれまで哺乳類で、飛まつによる感染は確認されていなかったということです。

河岡特任教授は「ヒトへの感染性も若干上がっているかもしれない。日本でも牛への感染が起きた場合にすぐ検出できる体制が必要だ」と話していました。