フランス議会選挙で左派連合が最大勢力へ 地元メディア予測

フランスの議会下院の選挙は7日、決選投票が行われ、開票作業が続いていて、フランスの公共放送は調査機関の独自の集計結果などに基づく予測として、左派の連合が過半数には届かないものの最大勢力になる見通しだと伝えました。

左派の連合はマクロン大統領率いる与党連合と選挙協力を行い、1回目の投票の得票率で首位に立った極右政党の勢いを止めた形です。

フランスでは7日、マクロン大統領が電撃的に解散に踏み切った議会下院にあたる国民議会の選挙の決選投票が行われました。

投票は日本時間の8日午前3時に締め切られ、開票作業が続いています。

フランスの公共放送は、調査機関の独自の集計結果や開票状況などに基づく、日本時間の午前5時すぎ時点の予測として、577の議席のうち、左派の連合の新人民戦線が177から192議席を獲得して最大勢力になる見通しだと伝えています。

また、中道のマクロン大統領率いる与党連合は152から158議席、極右政党の国民連合が連携する勢力とあわせて138から145議席を獲得する可能性があるとしています。

6月30日に行われた1回目の投票では国民連合と連携する勢力が得票率で首位に立ちましたが、決選投票に向けて新人民戦線と与党連合が候補者を一本化して選挙協力を進め、国民連合の勢いを止めた形です。

新人民戦線 メランション氏 “マクロン大統領には組閣要請義務”

フランス議会下院の最大勢力になる見通しと伝えられた左派の連合「新人民戦線」のメランション氏は、選挙の結果について「極右は過半数にほど遠い」とする一方、マクロン大統領についても「敗北は明らかだ。『新人民戦線』に組閣を要請する義務がある」と述べました。

仏大統領府 “国民の選択が尊重されることを保証”

フランスの議会下院の選挙で左派の連合が最大勢力になる見通しだと伝えられるなか、フランスの大統領府は7日、「大統領は現在、選挙区ごとに結果を把握しているところだ。共和国の伝統に従い、新しい議会の構成を待って、必要な決断を下す。大統領は体制の保証人としてフランス国民の選択が尊重されることを保証する」というメッセージを出しました。

国民連合 バルデラ党首 与党連合と左派連合の選挙協力を批判

極右政党の国民連合のバルデラ党首は、支持者の前で演説し「マクロン大統領とアタル首相は極端な左派と恥ずべき危険な選挙協力を行った。国を不確実で不安定な方向に向かわせただけでなく、今後、何か月にもわたって日々の厳しい暮らしに国民が対応する手段を奪った」と述べて、与党連合と左派の連合の選挙協力を批判しました。

そのうえで「国民連合はほかの政党とは違い、妥協はしない。国民のそばに立ち、責任を引き受ける用意がある。国を立て直すために力を尽くしたいという意志はかつてなく強い」と訴えました。

国民連合の集会に訪れた人から失望の声

議会下院の選挙の決選投票で、左派の連合が最大勢力になる見通しだとする予測が伝えられたことについて、国民連合の集会に訪れた人からは、失望の声が聞かれました。

20代の男性は、「結果は信じられないです。与党連合にも負けるなんてありえないです」と、目に涙を浮かべ話していました。

50代の女性は、「今夜の結果は残念で、権力を握るまでもう少しだと思っていましたが、違いました。これまでのように戦い続けます」と話していました。

パリ郊外に住む20代の男性は、「残念ですが、いまの議席は倍増するので希望があります。国民がいまの政府にうんざりしていることが今回の選挙で示されました。どの政党も過半数をとらず、きっと近いうちにまた解散も起こるでしょう」と話していました。