大規模な戦闘から9か月 停戦実現へ 双方の溝埋められるか焦点

イスラエル軍とイスラム組織ハマスの大規模な戦闘が始まって7日で9か月となり、ガザ地区での死者は3万8000人を超えています。停戦や人質解放をめぐる交渉ではハマス側がこれまでよりも譲歩する姿勢を示していると伝えられているものの、イスラエル側はなお隔たりがあるとしていて、溝を埋められるかが焦点となっています。

イスラエル軍は6日もガザ地区に対して空爆や地上部隊による攻撃を続けていて、パレスチナのメディアは多くの住民が避難している中部ヌセイラトの学校が爆撃を受け、子どもを含む13人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は、去年10月に戦闘が始まってからの9か月間で3万8098人が死亡したと発表しています。

住民の犠牲が増え続ける中、カタールなどの仲介で停戦や人質解放に向けた交渉が行われていて、ロイター通信は、現在協議されている3段階の案をめぐって、ハマス側が一定の譲歩を示していると伝えています。

それによりますと、ハマスはイスラエルが恒久的な停戦について確約することを合意の前提条件とせず、第1段階の一時停戦の期間に協議を続けていくとの意向を示したということです。

ロイター通信は、これまで交渉が行き詰まる大きな原因となってきた恒久的な停戦をめぐって、ハマス側が譲歩の姿勢を見せたことで、イスラエルの当局者からも交渉の進展に前向きな見方が出ていると伝えています。

ただ、イスラエル首相府は「ハマス側との隔たりはまだ残っている」として、近く改めて交渉を行う見通しを発表していて、双方の溝を埋め、停戦を実現できるかが焦点となっています。