北海道 蘭越町 蒸気噴出問題 掘削会社 “注水停止の判断ミス”

北海道蘭越町の掘削現場で去年、ヒ素などを含んだ蒸気が噴出した問題で、掘削を行っていた会社は、噴出の原因について、地下の亀裂に遭遇した際に本来は水を注入しながら亀裂を塞ぐべきだったのに、注水を停止する判断ミスがあったという見解を明らかにしました。

蘭越町では去年6月、地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場の井戸からヒ素などを含んだ蒸気の噴出が始まり、およそ2か月後に井戸が埋め戻されました。

掘削を行っていた三井石油開発は5日、報道機関を対象とした説明会を開き、蒸気が噴出した原因について会社側の見解を説明しました。

それによりますと、地下およそ200メートルで亀裂に遭遇した際に、本来であれば水を注入しながら亀裂を塞ぐための作業をすべきだったところ、井戸の内部の状況を把握するために注水を停止したということです。

その結果、井戸の内部の圧力が低下して火山性ガスの流入が始まるとともに、内部の温度が上昇して井戸の中の水が沸騰したことで蒸気が噴出したと推定していて、会社は注水を停止した対応が判断ミスだったという見解を明らかにしました。

また、周辺環境への影響について、外部の専門家による委員会で全体像を把握した上で、今後3年程度かけて環境の回復を段階的に進めると説明しました。

説明会で三井石油開発の原田英典社長は「事態の収拾に向けて責任を持って対応していく」と述べました。