加藤こども相 旧優生保護法裁判で原告らと面会し謝罪

旧優生保護法について、最高裁判所が国に賠償を命じる判決を言い渡したことを受け、加藤こども政策担当大臣が4日、裁判の原告らと面会しました。政府として反省とおわびのことばを伝えるとともに、新たな補償を行うしくみを検討する方針を説明しました。

旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めた裁判で、最高裁判所大法廷は4日「旧優生保護法は憲法違反だ」とする初めての判断を示し、国に賠償を命じる判決が確定しました。

これを受けて、一連の問題を所管する加藤こども政策担当大臣は、4日午前、こども家庭庁で裁判の原告らと面会しました。

出席者によりますと、加藤大臣は、3日の岸田総理大臣の指示を踏まえ、政府として、真摯(しんし)な反省と心からの深いおわびのことばとともに、判決内容を踏まえて賠償手続きを進める方針を伝えました。

そして、被害者が受けた苦痛や高齢化が進む現状を念頭に、問題解決を図るため、新たな補償を行うしくみを検討する方針を説明しました。

これに対し、原告側は、補償にあたっては、すべての被害者を対象にする法律を制定することなどを要望しました。

旧優生保護法に関する裁判をめぐっては、岸田総理大臣も、今月中にも原告らと面会する方向で調整を進めています。

原告「早く解決するようにしてもらいたい」

加藤こども政策担当大臣と面会した宮城県の原告の1人、飯塚淳子さん(70代・仮名)は「面会でもっと言いたいことがあったが、言いそびれたこともある。まだ謝罪や補償の問題は残っているので、早く解決するようにしてもらいたい」と話していました。

宮城県の原告、佐藤由美さん(60代・仮名)の義理の姉の佐藤路子さんは(60代・仮名)「大臣からは名刺を頂いたくらいでお話は頂いていない印象だ。これまで、手術について『慎重な手続きで行った』と行政側から3回も言われてきた。そういう点は反省して、繰り返さないでほしい」と話していました。

東京の原告の北三郎さん(仮名・81)は「最高裁には希望の光を与えてもらったが、私にとっては折り返し地点だ。まだ、手術を受けた2万5000人に対する国からの謝罪がない状態だと思っているので、どうやって解決してくれるのかと思っています」と話していました。