日本語学校の抹消処分取り消し求める裁判 「処分は適法」 福岡

福岡市にある日本語学校が外国人留学生を鎖で拘束する人権侵害があったことなどを理由に、日本語学校として認める告示を抹消された処分の取り消しを求めた裁判の判決で、福岡地方裁判所は学校による人権侵害を認定し「処分は適法だ」として訴えを退けました。

福岡市南区の「西日本国際教育学院」は3年前、当時の職員がベトナム人の留学生のズボンのベルトと自分のベルトを鎖でつないで拘束する、人権侵害があったなどとしておととし、出入国在留管理庁から日本語学校として認める告示を抹消する処分を受け、留学生の受け入れができなくなりました。

これについて学校側は組織的な関与はないなどとして、国に対し処分の取り消しを求める訴えを起こすとともに、処分の執行停止を申し立てていました。

おととし9月、福岡地方裁判所はこの申し立てを認め、1審の判決までの間、留学生の受け入れを認める決定をしていました。

3日の判決で福岡地方裁判所の林史高裁判長は「職員の行為は長時間にわたり鎖を使って拘束するという侮辱的な暴力行為で、ほかの専務理事や職員も積極的に止めずに放置した」と指摘し、学校が組織として人権侵害を黙認したと認めました。

そのうえで「法務大臣の判断が不合理とはいえず、処分は適法だ」として、学校側の訴えを退けました。

学校側は判決を不服として控訴したということです。

日本語学校を運営する学校法人によりますと、この学校では、3日から新たな留学生の受け入れができなくなったということです。

在籍しているおよそ330人については、引き続き授業を受けられますが、今後、出入国在留管理庁からの指導で対応が変わる可能性があるとしています。