10年ものの国債 表面利率 1.1%に引き上げ 2011年以来の水準

財務省は、今月発行する10年ものの国債の利息を示す「表面利率」を1.1%に引き上げると発表しました。市場の利回りの上昇を踏まえたもので、2011年以来の水準です。

財務省は、今月発行する償還期間が10年の国債について「表面利率」を1.1%にすると発表しました。

先月の発行分よりも0.3ポイント引き上げます。

国債の表面利率は市場の動向を参考に決定されますが、日銀が金融政策の正常化を進める中、市場での10年ものの国債の利回りが上昇傾向にあり、このところ1%程度で推移していることを踏まえたものです。

10年ものの国債の表面利率が1.1%となるのは、2011年12月分以来、およそ13年ぶりで、この間は日銀の大規模な金融緩和などで長期金利は低水準が続いていました。

政府の今年度予算では国債の利率を1.9%と想定して利払い費を計算しているため、直ちに財政に影響を与えることはないものの、金利の上昇が続けば利払い費が徐々に増えて、将来的には政策に使う経費が圧迫される可能性もあります。

林官房長官「財政健全化の取り組み進める」

林官房長官は午後の記者会見で「長期金利はさまざまな要因を背景として市場で決まるもので、動向の逐一にコメントすることは控える」と述べました。

そのうえで「金利の上昇は、利払い費の増加を招き財政を圧迫し得るものだ。引き続き経済・金融市場への影響を注視し、財政の持続可能性への信認が損なわれないように歳出効率化の努力を含めて着実に財政健全化の取り組みを進める」と述べました。