【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(7月1日)

イスラエルのガラント国防相は6月30日、ガザ地区南部のラファを訪れて、イスラム組織ハマスの壊滅に向けた作戦の進展をアピールしました。一方で、7月1日もガザ地区からイスラエル側にロケット弾が発射されるなど、ハマス側は徹底抗戦の構えを崩していません。

※中東情勢に関する日本時間7月1日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル国防相は作戦進展をアピール ハマスは徹底抗戦の構え

イスラエル軍の空爆 6月30日公開

イスラエル軍はガザ地区への攻撃を続けていて、パレスチナの地元メディアは、1日にかけてもガザ市などで死傷者が出ていると伝えています。

イスラエルのガラント国防相は6月30日、ガザ地区南部のラファを訪れ兵士たちに対して、「ラファ検問所と地下トンネルなどを閉じたことで、ハマスには武器を集める手段も負傷した戦闘員を治療する手段もないことは明らかだ。ハマスは消耗している」などと述べて、ハマスの壊滅に向けた作戦の進展をアピールしました。

これに対してハマス側は、ガザ市や中部などでイスラエル軍への攻撃を続けていると連日、主張しているほか、イスラエル軍は1日には南部ハンユニスからイスラエル側におよそ20発のロケット弾が発射されたと発表しています。

イスラエル軍はハマスの最後の拠点だとしていたラファでの地上作戦の完了が近いとの認識を示しているものの、ハマス側は徹底抗戦の構えを崩していません。

ヒズボラとイスラエルも攻撃の応酬続く

イスラエル北部のレバノンとの国境地帯では、ハマスに連帯を示すイスラム教シーア派組織、ヒズボラとの間で攻撃の応酬が続いています。

イスラエル軍は30日には、ヒズボラによる攻撃でイスラエル軍の兵士18人がけがをし、これに対してヒズボラの拠点に空爆を行ったと発表していて、本格的な戦闘に発展しないか懸念されています。

ネタニヤフ首相 “ハマス壊滅まで戦闘続ける”

イスラエル軍は30日もガザ地区の各地でハマスへの攻撃を続け、地元メディアはこのうち北部では4人が死亡したほか、イスラエル軍が農地を破壊したなどと伝えています。

地元の保健当局はこれまでに3万7877人が死亡したと発表しました。

ネタニヤフ首相は30日、北部や南部のラファを含むガザ地区全域で軍事作戦を行っていて、連日、数十人の戦闘員を殺害しているなどとした上で、ハマスを壊滅させすべての人質を取り戻すまで戦い抜くと改めて強調しました。

ネタニヤフ首相は先月下旬、イスラエルメディアとのインタビューでガザ地区での激しい戦闘が近く収束するとの認識を示しましたが、その後も軍事作戦は続き、犠牲者の増加に歯止めがかかっていません。

一方、ヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区でもイスラエル軍による空爆で1人が死亡、5人がけがをしたと地元当局が発表しました。

さらにイスラエル軍と、ハマスに連帯を示す隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの攻撃の応酬も続いていて、緊張した状況となっています。