小林製薬 紅麹問題 患者の約85%が腎臓の機能1か月以上戻らず

小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、日本腎臓学会は先月末の時点で報告があった患者100人余りのうちおよそ85%が、1か月以上にわたって腎臓の機能が正常値に戻らない状態だったとする調査結果を発表しました。

これは30日、横浜市で開かれた日本腎臓学会のシンポジウムで猪阪善隆副理事長が発表しました。

それによりますと、学会が会員の医師を通じて、問題のサプリを摂取して腎臓に障害がみられた患者を調査したところ、先月末の時点で腎機能のデータが報告された105人のうち、およそ85%にあたる90人が治療を始めて1か月以上たっても、腎臓の機能の数値が正常値を下回っていたということです。

治療を始めた当初は回復がみられたものの、その後、正常な状態までは回復していない患者が多いということで、猪阪副理事長は「多くの患者が腎機能が低下したまま、慢性腎臓病のような状態になっている」と話しました。

また、この問題が明らかになる前に複数の患者を診察していた日本大学医学部の阿部雅紀主任教授も講演し、これまでに受診した8人のうち7人が治療を始めてからおよそ3か月たっても腎機能が元に戻っていないと報告しました。

阿部主任教授は「腎機能は一度、障害が起きると、将来的に透析が必要になるケースもある。今後、長期的にみていく必要がある」と話していました。