イスラエル軍 ガザ地区北部攻撃で6万人退避 人道状況悪化

イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの攻撃の応酬が続き、緊張が高まる一方、イスラエル軍は、制圧したと主張していたガザ地区北部でも激しい攻撃を続け、国連は少なくとも6万人が退避を強いられたとみられるとしていて人道状況は日増しに悪化しています。

イスラエルと隣国レバノンを拠点とするヒズボラとの間ではこのところ攻撃の応酬が激しくなっています。

イスラエルのガラント国防相が28日、「戦争を望んではいないが、準備はできている」と発言した一方、ヒズボラを支援するイランの国連代表部がSNSに「イスラエルが本格的な攻撃に踏み切ればすべての抵抗勢力が参戦することも選択肢にある」と投稿するなど、互いにけん制しました。

イスラエル軍は29日も、レバノン側から攻撃がありイスラエル側もヒズボラの拠点を攻撃した、などと発表し緊張が高まっています。

一方、イスラエル軍はガザ地区南部のラファのほか、制圧したと主張していたガザ地区北部でも軍事作戦を続け、多数の戦闘員を殺害し、学校の敷地内で武器庫を発見したなどと主張しました。

地元のメディアはイスラエル軍によるガザ地区北部への攻撃で複数の住民が死傷したと伝えています。

国連は28日、イスラエル軍がガザ地区北部で住民に退避を命じ少なくとも6万人が退避を強いられたとみられると指摘していて、人道状況は日増しに悪化しています。

現地の保健当局はこれまでに3万7834人が死亡したと発表し、停戦と人質解放に向けた交渉が停滞する中、犠牲者は増え続けています。