公立高校入試“外国籍の生徒に特別枠など配慮を”文科省が通知

文部科学省は2024年度以降の公立高校の入試において、外国籍の生徒を対象とした特別枠の設定や、試験問題にルビをふるなどの配慮を進めるよう全国に通知しました。

文部科学省が全国の教育委員会などに出した通知では、今年度以降に行われる高校の入学試験で配慮を求める事項をまとめています。

この中では、外国籍の子どもが社会で自立していくために高校で適切な教育を受けることが重要だとして、公立高校の入試について
▽外国籍の生徒を対象にした特別枠を設けることや
▽試験問題の漢字にルビをふったり、辞書の持ち込みを認めたりするなどの配慮を新たに求めています。

文部科学省によりますと、日本語指導が必要な外国籍の児童や生徒は、2021年の調査で全国で4万7000人余りと10年ほどで1.8倍に増えていますが、特別枠の設定などに取り組む高校もある一方で、特別な配慮はしていない高校も多く、対応にばらつきがあるということです。

このほか通知では、定員割れしているのに不合格となる、いわゆる「定員内不合格」について、「直ちに否定されるものではない」としつつ、意欲のある生徒に対する学びの場の確保は重要だとしています。

そのうえで
▽「定員内不合格」を出さないようにしている教育委員会の例を参考にすることや
▽「定員内不合格」とする場合、合理的に説明できるか検討するよう求めています。