プーチン氏 “核搭載可能な中・短距離ミサイル 生産再開必要”

ロシアのプーチン大統領は核兵器が搭載可能な中距離と短距離のミサイルの生産を再開し、配備をする必要があるという考えを明らかにしました。発言の背景には、ウクライナヘの軍事支援を欧米諸国に思いとどまらせようとするねらいがあるとの見方も出ています。

これはロシアのプーチン大統領が28日、オンラインで行われた安全保障会議で明らかにしたものです。

この中で、核兵器が搭載可能な地上配備型の中距離と短距離のミサイルについて「ロシアの安全を確保するため、ミサイルシステムを生産し、どこに配備するかを決定する必要がある」と述べました。

理由については、アメリカが中距離と短距離のミサイルを軍事演習でデンマークなどに持ち込んだとして、その対抗措置だと説明しています。

これについてアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、「欧米諸国によるウクライナヘの軍事支援を思いとどまらせる目的で、軍事演習を口実にしている可能性が高い。ロシアはウクライナ侵攻を通じて、常に欧米諸国との核兵器による対立の恐怖を持ち出して、軍事支援をやめさせようとしている」と分析しています。

アメリカとロシアの間では射程500キロから5500キロの地上発射型の弾道ミサイルと、巡航ミサイルの保有や製造、発射実験などを禁止するINF=中距離核ミサイルの全廃条約が、2019年に失効しており、ロシアはアメリカがミサイルを配備しないかぎり、生産や配備をしないと主張していました。