障害者向けグループホーム「恵」 厚労省が自治体と対応策協議

障害者向けグループホーム運営大手の「恵」が、食材費を過大に徴収していた問題で、今後、全国99の事業所が順次運営できなくなる見通しになったことを受けて、厚生労働省は27日、関係する自治体と連絡会議を開き、利用者の住まいの確保に向けた対応策などを協議しました。

東京・港区に本社がある障害者向けグループホーム運営大手の「恵」をめぐっては食材費の過大徴収などの不正が明らかになり、愛知県などが26日、指定を取り消す行政処分を行ったほか、厚生労働省が全国のほかの事業所についても今後、指定の更新を認めない「連座制」の措置を取ると通知しました。

対象となる全国99の事業所は定員が1710人にのぼりますが、数年の間に順次、運営できなくなる見通しで、利用者や家族からは住まいや生活環境が変わることの影響を心配する声があがっています。

こうした中、厚生労働省は28日、恵のグループホームに対する指定の権限がある全国29の都県や市と連絡会議を開き、今後の対応について話し合いました。

はじめに厚生労働省障害保健福祉部の辺見聡部長が「利用者やご家族の不安の声に丁寧に対応することが必要だ。各地域の関係団体と連携し、引き続き安心して日常生活を送れるよう、万全の対応をお願いしたい」と話しました。

会議ではこのあと、事業所ごとに異なる指定の更新の時期を共有した上で地域のほかの事業者などと連携をとるなど、利用者の住まいの確保に向けた対応策について協議したたということです。

厚生労働省は今後も各地の事業所の運営状況などについて自治体と情報共有しながら利用者の住まいの確保に向けて取り組む方針です。