中国 習国家主席 演説でグローバル・サウスとの協力強化の考え

中国政府は、70年前に中国などが発表した「平和5原則」を記念する催しを開きました。習近平国家主席は演説で「世界のことは各国が話し合って決めるべきで『腕力の強い人』の言いなりになってはならない」と述べ、アメリカをけん制し、グローバル・サウスと呼ばれる途上国や新興国との協力を強化していく考えを示しました。

中国政府は、1954年に主権と領土の尊重や内政不干渉などからなる「平和5原則」をインドなどと共同で発表してから70年になるのを記念する催しを、28日に北京の人民大会堂で開きました。

この中で、習主席は、みずからが提唱する「人類運命共同体」という構想について「平和5原則」の精神を受け継ぎ、さらに高めていると自賛しました。

そのうえで、「世界のことは各国が話し合って決めるべきで『腕力の強い人』の言いなりになってはならない」と述べ、対立するアメリカをけん制しました。

そして、グローバル・サウスと呼ばれる途上国や新興国を対象に、
▽今後5年間に、研修やトレーニングを10万人に行うほか
▽農業の発展のために1000万ドル、日本円にして16億円相当の資金を援助するなど、
協力を強化していく考えを示しました。

今回の催しを通して、中国としてはグローバル・サウスとの連携を強め、世界の多極化を推進する姿勢を強調した形です。