心電図確認する装置事故 10年間に41件 医療機関に注意呼びかけ

入院中の患者の心電図を医療機関内の離れた場所で確認する装置の電池が切れたなどの理由で、患者の状態が把握できなかった事故が全国の医療機関でことし3月までの10年間に41件あったことが分かりました。因果関係は不明なもののこのうち13件で患者が死亡していて、調査を行った日本医療機能評価機構は注意を呼びかけています。

医療事故の分析などを行う日本医療機能評価機構は、2014年からことし3月までに患者の心電図を、ナースステーションなど離れた場所で確認するための装置の電池切れや、設定の誤りなどで患者の状態が把握できなくなった事故が41件あったと発表しました。

21件は、患者に装着した心電図のデータを送る装置の操作の誤りで、このうち、電池が切れているのに気付かなかったケースが7件、検査のあと、再び装着するなどした際に電源を入れ忘れたケースが7件あったということです。

残りの20件は、心電図などをモニターに映す受信機の操作の誤りで患者のデータを登録し忘れたり、データの登録を別の患者と間違えたりするなど、設定を誤ったケースが多かったということです。

また、41件のうち13件で患者が死亡したほか、何らかの障害が残る可能性が高いケースが6件あったということですが、因果関係はわからないとしています。

日本医療機能評価機構はこうした事故は治療の遅れにつながるおそれがあるとして医療機関に対し「機器の装着や設定の手順を確立し、職員に手順を守るよう周知してほしい」と呼びかけています。