「ド・ドドンパ」事故 揺れの周波数で首に負荷 調査部会報告

山梨県の遊園地、富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」で2021年にかけて相次いだ事故について、国の調査部会は車体の揺れの周波数が乗客の首への負荷を増やしやすかったことや乗客が身構えていなかったことが原因と考えられるとする報告書をまとめました。

2020年12月から2021年8月にかけて、山梨県富士吉田市の遊園地、富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」で、乗客が首の骨を折るなどの事故が12件起きました。

専門家でつくる国土交通省の事故調査部会は報告書をまとめ、事故が起きた車体は乗客の首に垂直にかかる力と前に押し出す力のピークがそろっていたことに加え、揺れの周波数の影響で首への負荷が増えたと考えられるとしています。

さらに、けがをした12人のうち5人は前かがみやうつむいた姿勢だったと話していて、乗車前に呼びかけられていた背筋を伸ばして下を向かないなど安全な姿勢で身構えられていなかったことも原因と考えられるとしています。

報告書では振動の周波数によって乗客への負荷が増えることについて研究を進めることや、国に対してはコースターの所有者に乗客が安全な姿勢を保つための注意喚起の徹底を周知するべきだとしています。

一連の事故を受けて、富士急ハイランドはことし3月に「ド・ドドンパ」の営業を終了しています。

国土交通省は今後、全国の遊園地に対しジェットコースターなどの乗客に安全な姿勢を保つよう注意喚起の徹底を周知することにしています。