千葉 八街 児童5人死傷事故から3年 犠牲となった子どもを悼む

千葉県八街市で下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故から28日で3年です。事故現場では献花に訪れる人の姿もあり、犠牲となった子どもたちを悼んでいました。

3年前の6月28日、千葉県八街市でトラックが下校中の小学生の列に突っ込み児童2人が死亡、3人が大けがをした事故では、酒を飲んだうえ居眠りしながら運転していた運転手が危険運転致死傷の罪に問われ懲役14年の判決が確定しています。

現場では朝から花を手向けたり、手を合わせたりする人の姿が見られました。

また、八街市役所では、事故が起きた午後3時20分すぎに放送にあわせて職員らが一斉に1分間、黙とうしました。

黙とうのあと北村新司市長は「決して忘れてはいけない日だと改めて感じている。市内に150か所あった危険な通学路のうち141か所の整備は終わったが、残る9か所は信号機などの設置に時間がかかっている。関係機関と協力して対策を進めていきたい」と述べました。

事故のあと千葉県では、飲酒運転の根絶に向けて飲食店側にも罰則を科すことなどを盛り込んで条例が改正されたほか、警察による取締りが強化され通学路の安全対策が進められています。

しかし、その後も飲酒運転や通学路での事故はあとを絶たず、市や警察などは子どもたちの安全確保を改めて徹底していくことにしています。

千葉県内 通学中の子どもの人身事故は減らず

3年前の事故を受け、千葉県では通学路の安全対策が進められていますが、通学中の子どもの人身事故は減らず、安全をいかに守るかが課題となっています。

八街市で児童5人が死傷した事故のあと、千葉県は通学路の緊急点検を行い、危険だと報告された4000か所余りの地点で安全対策を進めてきました。

県などによりますと、去年12月までにおよそ97%にあたる3913か所で新たな横断歩道の設置や通学路の変更が完了するなど対策が進んだということです。

ただ、事故は減っておらず、千葉県警察本部のまとめでは去年、県内で起きた通学中の子どもが関係する人身事故はおととしより7件多い583件で、内訳をみると▽小学生が96件、▽中学生が125件、▽高校生が362件でした。

子どもたちの安全をいかに守るかが引き続き課題となっていて、警察は、地域と連携した登下校時の見守り活動や、子どもやドライバーに対する交通安全の指導なども強化することにしています。