フランス議会下院選挙前に国債利回り上昇 財政悪化懸念で

フランスの議会下院の選挙で1回目の投票が2日後の今月30日に行われます。優勢とされる極右政党などが掲げる政策が財政悪化を招くと受け止められて一時、フランス国債が売られて利回りが上昇する事態となり、選挙結果によっては市場が混乱するおそれが出ています。

フランスでは、今月行われたヨーロッパ議会選挙でマクロン大統領率いる与党連合が極右政党の国民連合に大敗しました。

マクロン大統領は議会下院にあたる国民議会を解散し、今月30日に1回目の投票が、来月7日に決選投票が行われます。

極右政党の国民連合や左派連合は世論調査で与党を上回り、優勢となっています。

国民連合は燃料の付加価値税の引き下げを、左派連合は最低賃金引き上げをそれぞれ政策として掲げ、財政悪化を招くと受け止められていることから国債が売られ、フランス国債の10年ものの利回りは一時、3.2%を超えて7か月ぶりの高い金利水準となりました。

また、マクロン大統領が国民議会を解散してからフランスの主要な株価指数も先行きの不透明感から売り注文が増えて今月27日までに下げ幅は6%近くになりました。

大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングは先月31日、財政赤字の削減が進まないことなどを理由にフランス国債の格付けを引き下げたばかりです。

選挙の結果によっては市場が混乱するおそれが出ています。