鹿児島 静岡 長野 土砂災害に厳重警戒 西~東日本で激しい雨も
梅雨前線と低気圧の影響で西日本と東日本では局地的に激しい雨が降っています。鹿児島県と静岡県、長野県ではこれまでに降った雨で地盤が緩んでいるところがあり、気象庁は、土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、九州から関東にのびる梅雨前線と前線上の低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、西日本と東日本を中心に大気の状態が非常に不安定になっています。
昼前には静岡県中部と西部で線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が同じ場所に降り続いているとして「顕著な大雨に関する情報」が発表されました。
その後も東海や関東甲信などで局地的に雨が強まっていて、午後4時までの1時間には
▽岐阜県が中津川市に設置した雨量計で45ミリ
▽国土交通省が長野県南木曽町に設置した雨量計で43ミリの
激しい雨を観測しました。
鹿児島県の指宿市や錦江町などでは、6月20日の降り始めからの雨量が700ミリを超え、平年の6月1か月分を上回る大雨となっています。
これまでの雨で鹿児島県と静岡県、長野県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。
このあとも、西日本と東日本では29日にかけて激しい雨が降り局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあります。
気象庁は土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や川の氾濫に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風に十分注意するよう呼びかけています。
線状降水帯予測の的中精度 想定下回る
気象庁は、27日夜から28日午前にかけて、九州北部と山口県に線状降水帯が発生するおそれがあるとして警戒を呼びかけました。
対象の地域では非常に激しい雨を観測したところもありましたが線状降水帯は発生しませんでした。
これについて気象庁は「予想よりも九州北部への水蒸気の流れ込みが弱かったことが考えられる」としています。
一方、28日昼前には、予測していなかった静岡県で線状降水帯が発生し見逃す形となりました。
ことしに入って、気象庁は
▽5月27日から28日にかけて九州南部と奄美地方、四国、東海に
▽6月17日から18日にかけて九州南部と四国に
▽6月20日から21日にかけて九州南部に
線状降水帯への警戒を呼びかけましたが、実際に発生したのは、6月21日の鹿児島県のみとなっています。
気象庁は予測が的中する精度について、4分の1程度と想定していますが、これまでの結果は想定を下回っていて、気象庁は「よりよい情報発表に向けて今後検証を進めていく」としています。
浜松 段子川 護岸の一部崩れる被害
大雨の影響で、浜松市中央区では「段子川」の護岸の一部が崩れる被害が出ています。
浜松市によりますと、この護岸は、土とコンクリートブロックを高さ4メートル余りまで積み上げて造られていますが、市が調べたところ、ブロックがおよそ10メートルにわたって崩れ落ちたほか、この部分を含めておよそ50メートルにわたってひびが入ったということです。
護岸沿いには住宅が建てられていますが、これまでのところ被害の情報は入っていないということです。
市は、大雨の水が護岸にしみこんで崩れ落ちたと見て、被害の状況を詳しく調査することにしています。
また、浜松市によりますと、今回の大雨で浜名区で1棟、天竜区で1棟の建物でそれぞれ床下が水につかったということです。
このほか市内の広い範囲で道路が冠水し、30を超える路線が一時、通行止めとなりました。
浜松 中央区 高齢男性がけが
浜松市消防局によりますと、午前11時すぎ、雨の影響で折れた木を高い場所にのぼって切っていた浜松市中央区の高齢の男性が転落し、救急車で病院に運ばれたということです。
男性は会話はできる状態で、軽いけがだということです。
静岡 磐田 浸水被害も
静岡県磐田市によりますと、大雨の影響で28日午後5時までに敷地川沿いの豊岡地区で床上浸水が1件床下浸水が10件、確認されたということです。
磐田市は29日、職員が調査を行い、必要に応じてり災証明の申請も受け付けるということです。
静岡 島田 2地区の5棟 床下浸水
静岡県島田市によりますと、大雨の影響で、28日午後7時半までに、川根町家山地区と、川根町抜里地区で合わせて5棟の住宅で床下が水につかったということです。