ウクライナ ロ軍一時占拠のブチャで見つかったピアノの演奏会

ウクライナ侵攻を進めるロシア軍に一時占拠された首都キーウ近郊のブチャで見つかったピアノの演奏会が開かれ、戦時下の暮らしが続く中、ひとときの安らぎを求める多くの人が訪れました。

ウクライナの首都キーウ近郊のブチャは、おととし軍事侵攻が始まった当初、ロシア軍に一時占拠され、多くの市民が犠牲になりました。

街が解放されたあと、一部が破損するなどしたウクライナ製のピアノ1台が見つかり、修復作業が行われていました。

このピアノを使った演奏会が27日、ブチャに隣接するイルピンの公園で開かれ、ピアニストや地元の子どもたちがクラシックの名曲などを演奏しました。

会場には、戦時下の暮らしが続く中、ひとときの安らぎを求める多くの人が訪れ、このうち、ロシア軍が攻撃を続ける東部ハルキウ州からイルピンに逃れてきたという女性は「リラックスして平和を感じました。少しだけ気晴らしができました」と話していました。

演奏会を主催した団体は、各地で壊れたウクライナ製のピアノを修復して公共施設などに届ける活動を行っていて、これまでにあわせて4台のピアノを修復したということです。

主催した団体の担当者は「私たちの国を復興させなければならない。そのためにまずはウクライナ製のピアノで文化を復活させたい」と話し、ピアノを復興の象徴にしていきたいと強調していました。