円相場 一時1ドル161円台まで値下がり 37年半ぶり円安水準更新

28日の東京外国為替市場、円相場は、一時、1ドル=161円台まで値下がりし、およそ37年半ぶりの円安ドル高水準を更新しました。

28日の東京外国為替市場では、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が利下げを急がないとの見方から、日米の金利差が意識され、円を売ってドルを買う動きが強まりました。

また、月末で、国内の輸入企業が決済の必要性からドルを買う動きも見られ、円安に拍車をかけました。

円相場は一時、1ドル=161円台まで値下がりし、1986年12月以来、およそ37年半ぶりの円安ドル高水準を更新しました。

また、円はユーロに対しても値下がりし、円相場は1ユーロ=172円台前半をつけ、ユーロが導入された1999年以降の最安値を更新しました。

午後5時時点の円相場は27日と比べて、38銭、円安ドル高の1ドル=160円92銭から94銭でした。

一方、ユーロに対しては27日と比べて52銭、円安ユーロ高の1ユーロ=172円13銭から17銭でした。

ユーロはドルに対して1ユーロ=1.0696から98ドルでした。

市場関係者は「円安が進み政府・日銀による市場介入への警戒感が一段と高まっている。市場では、アメリカのインフレの状況や金融政策の先行きを見極めようと日本時間の今夜、アメリカで発表される物価関連の統計に関心が集まっている」と話しています。

鈴木財務相 「過度な変動に対して適切に対応」

鈴木財務大臣は28日の閣議のあとの記者会見で「為替相場はファンダメンタルズ=経済の基礎的条件を反映して安定的に推移することが重要であり、過度な変動は望ましくない。特に急激な、しかも一方的な為替相場の変動が経済に与える影響について深く懸念しているところだ。政府としては為替市場の動向を高い緊張感で注視していて、過度な変動に対しては適切に対応を取っていきたい」と述べ、市場の動きをけん制しました。