国連 “ミャンマー 戦闘機などの燃料輸入約3割増 制裁強化を”

国連は、クーデター後、国の実権を握るミャンマー軍の資金源についての新たな報告書を発表し、民間人への無差別的な空爆などに使われる航空燃料の輸入がおよそ3割増えたとして、国際社会に一層の制裁強化を呼びかけています。

国連でミャンマーの人権状況を調査しているアンドリュース特別報告者は26日、ミャンマー軍の資金源や武器などの入手ルートについての新たな報告書を発表しました。

それによりますと、ミャンマー軍による武器や武器関連の輸入額はことし3月までの1年間で2億5300万ドルと前の年に比べて30%余り減少しました。

理由について、前回の報告書で指摘を受けたシンガポールが調査に乗り出し、ミャンマー軍への輸出を大幅に減らしたことを挙げています。

その一方で、戦闘機やヘリコプターなどに使われる航空燃料の輸入額は2023年に少なくとも8000万ドルに上り、前の年と比べておよそ30%増加したということです。

報告書は軍が民主派勢力などとの戦闘で多くの拠点を失う中、この半年で民間人を標的にした空爆を5倍に増やしているとして、国際社会に対しジェット燃料の供給網や資金源への一層の制裁強化を呼びかけています。

ただ「軍事政権は複数の仲介業者を通じて航空燃料を購入しているため、燃料の出荷元を追跡することが困難になっている」として軍側が制裁の回避を図る中、調査の難しさも指摘しています。

地元メディア “ミャンマー軍 多くの拠点失っている”

ミャンマーでは西部ラカイン州のマウンドー周辺で6月後半からミャンマー軍と少数民族の武装勢力との間で戦闘が続いていて、地元メディアは軍が多くの拠点を失っていると伝えています。

川を隔てた対岸のバングラデシュ南部の村では25日から26日にかけて、空爆や砲撃とみられる攻撃の音が断続的に聞こえるということです。

37歳の男性は「真夜中に砲撃のような音が聞こえた。どこから聞こえるのかわからないが、寝ることができず、子どもたちが泣き始めた。爆発の音がかなり大きかったので、空爆だったのかもしれない」と話していました。