埼玉 飼育していた犬を窒息死させたか 80代の元ブリーダー逮捕

埼玉県毛呂山町で犬の販売業を営んでいた80代の元ブリーダーが、飼育していた犬を袋などに入れて密封し窒息死させたとして、動物愛護法違反の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは毛呂山町に住む元ブリーダー渡部幸雄容疑者(81)です。

警察によりますと、先月自宅敷地内にある飼育場で飼育していた犬3匹を袋などに入れて密封し窒息死させたとして動物愛護法違反の疑いが持たれています。

警察は去年8月に情報が寄せられたことを受けて先月、捜索したところ飼育場でおよそ180匹の犬が飼育されていて、死んだ3匹が見つかったということです。

この際、元ブリーダーは「繁殖できなくなった犬を生かしておくと経費がかかる。行き場のなくなった犬の責任を取るつもりで殺した」と説明していたということです。

2017年から繁殖させた子犬を販売していましたが、今月24日に保健所に廃業届を提出したということです。

調べに対して、「1匹は閉じ込めて殺したが、残り2匹は死んでいた」と供述しているということで、警察は詳しいいきさつを調べています。

県や保健所 残された犬の引き取り手を探す

元ブリーダーは2017年から子犬を中心に販売していましたが、埼玉県によりますと、犬を飼育するかごの大きさが基準を満たしていないなどの理由で、保健所が去年までに合わせて3回指導し、改善に応じていたということです。

警察が先月飼育場などを捜索した際、窒息死した3匹の犬とは別に179匹の犬が飼育されていたということです。

警察によりますと、犬はかごに入れて飼育されていて管理体制に目立った問題点は確認されなかったということですが、このうち17匹は捜索に立ち会った獣医師から何らかの病気にかかっている疑いがあるという指摘を受けて保護し、埼玉県などと連携して治療のうえ、引き取り手を探すということです。

元ブリーダー側から今月24日に保健所に廃業届が提出された際はおよそ170匹の犬が確認され、親族が管理を続けているということです。

残された犬については今後、県や保健所と連携して引き取り手を探していくということです。

埼玉県生活衛生課総務・動物指導担当の佐近早苗さんは、「新たな引き取り手探しを業者に努力してもらっていて、行政も力を貸していく状況だ。新しい飼い主を探すことに県としても最大限努力していきたい」と話していました。