“インドネシア支配下の拷問 後世に” 東ティモールで活動進む

26日は国連が定める「拷問の犠牲者を支援する国際デー」です。東ティモールでは独立前のインドネシア支配下で行われた拷問について後世に伝えようという活動が進んでいます。

首都ディリでは25日、国際デーを前にイベントが開かれ、インドネシア支配下で独立運動に参加したために拷問を受けた人などが参加しました。

国連暫定統治機構のもとで設置された「真実和解委員会」の調査によりますと、1975年から20年余りにわたったインドネシア支配下では、独立を求めて抵抗した人々が弾圧され、インドネシアの治安部隊による拷問や虐待がおよそ1万9000件確認されたとしています。

一方、インドネシア政府は「東ティモール側だけの調査に基づいた一方的なものだ」として、調査結果を受け入れることはできないとしています。

イベントでは、インドネシアの軍や警察から拷問を受けたという男性が登壇し、「毎日殴られて侮辱され、気絶することもあった」と振り返りました。

東ティモールでは、政治犯と見なされてインドネシア軍などから拷問を受けたという人たちへの聞き取り調査も始まっていて、何があったのかを記録し、後世に伝えようという活動が進んでいます。

聞き取りに協力したマリオ・デ・ジェズス・カルバルホさんは「過去を振り返ることで、未来へと考えを向けられるようになった」と話していました。

聞き取りを行う団体のマルティーニュ・ロドリゲス・ペレイラさんは「証言を残すことで、若い世代が、拷問は人権に対する暴力だと知ることができる」と話していました。