原発老朽化対応の新制度 大飯原発の管理計画 全国で初めて認可

原子力規制委員会は、運転開始から30年を超えた福井県にある大飯原子力発電所3号機と4号機について、原発の老朽化に対応する新たな制度のもとで関西電力が策定した劣化状況などを管理する計画を、全国で初めて認可しました。

去年5月に法律が改正され、最長60年に制限されていた原発の運転期間をさらに延長できるようになったことに伴い、原子力規制委員会は原発の老朽化に対応するため、運転開始から30年以降は、10年を超えない期間ごとに管理計画を策定し、認可を受けることを義務づける新たな制度を設けました。

26日開かれた規制委員会の会合では、この制度のもと、全国で初めて申請されていた運転開始から30年を超える大飯原発3号機と4号機の管理計画について審議しました。

計画では、運転開始から40年までの設備の劣化状況を把握する方法や、部品が製造中止になった際の対応方針などを定めていて、規制委員会は基準に適合しているとして、認可しました。

現在、国内で再稼働した原発のうち、来年6月の新制度の施行までに運転開始から30年を超えるのは11基で、運転を続けるためには認可を得る必要があります。

これまでに、大飯原発のほか、鹿児島県にある川内原発1号機と2号機の管理計画の認可が申請されています。

関西電力社長「安全性や信頼性向上に努める」

関西電力の森望社長は、26日の株主総会のあとの記者会見で「新しい制度のもとで全国で初めて認可をいただいた。今後、国内だけではなく、海外の知見も取り入れてプラントの設計や設備保全に反映していき、原発の安全性や信頼性の向上に努めていきたい」と述べました。

その上で、森社長は「資源が乏しい中でエネルギーの安定供給と脱炭素を両立していくためには原子力は重要な電源で、一定規模で確保し続けることが大事だ。今後、新増設やリプレース=建て替えが必要であると理解し、将来の選択肢の一つと考えている」と述べました。