ロシア 宗教施設襲撃20人死亡 過激派組織関与かテロとして捜査

ロシア南部のダゲスタン共和国で、ロシア正教の教会やユダヤ教の礼拝所などが武装グループによって相次いで襲撃され、地元の保健当局はこれまでに20人が死亡したと明らかにしました。イスラム過激派組織が関与したという見方も出ていて、当局はテロ事件として捜査を進めています。

ロシア南部のダゲスタン共和国の中心都市マハチカラとデルベントで23日、ロシア正教の教会やユダヤ教の礼拝所のシナゴーグ、それに警察署が、相次いで武装グループに襲撃されました。

現地の保健当局によりますと、これまでに警察官や市民などあわせて20人死亡し、26人がけがをしたということです。

治安機関などでつくる国家反テロ委員会は、武装グループのメンバー5人を殺害したとしています。

ロシアの独立系メディアや、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」などは、過激派組織IS=イスラミックステートの地域組織の支持者がSNSを通じて犯行を称賛したと指摘していて、イスラム過激派組織が関与したという見方も出ています。

犯行の動機など詳しいことは明らかになっておらず、ロシアの連邦捜査委員会はテロ事件として捜査を進めています。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は24日、プーチン大統領が犠牲者の遺族らに哀悼の意を表したとした上で、ロシア社会が不安定化するおそれはないと強調しました。

ロシアでは、ことし3月にモスクワ郊外のコンサートホールで140人以上の市民が死亡する銃撃テロ事件が起きたあと、治安対策が強化されていただけに、プーチン政権は、再びテロを防ぐことができなかったことを重く受け止めているとみられます。