大谷翔平 22号ツーランHRで先制するもエンジェルスに敗れる

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が21日、チーム移籍後初めて公式戦で古巣のエンジェルスと対戦し2試合連続のホームランとなる22号の先制ツーランを打ちました。試合は同点のまま延長に入り、ドジャースが10回、エンジェルスに1点を勝ち越され、2対3で敗れました。

試合はドジャースの本拠地、ロサンゼルスにあるドジャースタジアムで行われました。

試合前のウォーミングアップ中、大谷選手の元には昨シーズンまで6シーズンを過ごしたエンジェルスの選手たちが次々とあいさつに訪れ、大谷選手は軽く抱き合いながら笑顔でことばを交わしていました。

前の試合で今シーズン21号となる先頭打者ホームランを打った大谷選手は、1番・指名打者で先発出場し1回の第1打席はフォアボール、3回の第2打席も1アウト二塁のチャンスでフォアボールを選んで塁に出ましたが、いずれも得点につながりませんでした。

0対0の5回は、2アウト一塁の場面で第3打席に立ち、甘く入った速球を見逃さずセンターの後方へ2試合連続となる今シーズン22号の先制ツーランホームランを打ちました。

打球速度が182キロ、飛距離は138.6メートルの大きな当たりで古巣エンジェルスから打った公式戦で初めてのホームランでした。

これでナショナルリーグのホームランランキングで2位につけているブレーブスのオズーナ選手との差を2本に広げました。

2対2の同点で迎えた8回は、1アウトランナーなしで第4打席に入り、セカンドへの当たりが内野安打となり、2試合ぶりに複数安打をマークしました。

このあと2アウトとなってから大谷選手は二塁に盗塁をしかけましたが、ここはかつてバッテリーを組んでいた相手キャッチャーのオホッピー選手の好送球に阻まれ盗塁失敗となりました。

試合は同点のまま延長に入り、ドジャースが10回、エンジェルスに1点を勝ち越され2対3で敗れました。

大谷選手は2打数2安打2打点フォアボールが2つで、連続試合ヒットを「6」に伸ばし、打率は3割2分2厘まで上がりました。

打点は6試合連続で大リーグ7年目で自己最長を更新しました。

大谷「感覚的には4月、5月よりいい」

大谷選手は試合後に取材に応じ、今シーズン自身3番目の飛距離となったホームランについて「打った瞬間入ると思った。先制点をしっかりいい形でとれたのでよかった」と満足げに振り返りました。

大谷選手は6月14日の試合から打席でバットを使って立ち位置を確認するルーティーンを取り入れて以降調子を上げていて、打率は3割2分2厘まで上がり5月27日以来となる両リーグトップに立ちました。

大谷選手はこれまでの取材では好成績を残していた4月と5月について「感覚的にはよくなかった」と話していましたが、この日の取材では現在の調子について「最近は打つべくして打っているなとは思う。感覚的には4月、5月よりいい」と話していました。

特に、ボール球をスイングする確率は6月1日から13日までの11試合では31.7%だったのに対し、ルーティーンを取り入れた6月14日以降、前の試合までの7試合では14.3%と大きく改善していて、大谷選手も「構えが安定していて、ストライクゾーンをしっかり把握できているということだと思う。結果的にそれが甘い球をしっかりヒッティングすることにつながっている」と分析していました。

6月の序盤は不振に苦しんだ大谷選手ですが、例年得意としている6月にことしも確かな手応えをつかんだ様子です。

【大谷翔平 一問一答】

大谷選手は敗れたものの、2試合連続ホームランとなる22号ツーランを打った試合のあと、帰り支度を終えた私服姿で報道陣の取材に応じました。

古巣エンジェルスとの公式戦初対戦の感想や、好調を維持しているバッティングの感覚についてなど、7分あまり質問に答えました。

《アメリカメディア》

Q.古巣エンジェルスとの対戦は不思議な感じがあった?

大谷「こちら側のホームだったのであまり、そこまで気にすることはなかったですけど、エンジェルスタジアムに行けばまた違うのかなとは思いました」

Q.仲のよかったサンドバル投手との対戦はどう感じたか?

「そうですね、僕の打席はけっこう、あの、力んでいる印象はあったので、※まあ最終的に少し残念な結果になってしまったので、あまりひどくないけがであることを願っていますし、早く戻ってくることを願ってはいます」(※サンドバル投手は3回に大谷選手に2打席連続の四球を与えたあと緊急降板。球団発表は左腕の張り)

Q.1番を打つのはいい効果につながっている?

「そこまで大きく変わることはないかなとは思っているので、まあ試合の第1打席は特に少し違いはありますけど、特に打順というよりは前後のバッターが誰なのかということがいちばん大事かなと思います」

Q.プレーオフ進出が期待されるプレッシャーのなかで結果が残せている?

「んーまあ、チームとしては、やっぱりこう、長期を見据えてしっかりと取り組んでいるなという印象は受けるので、選手たちもそれを理解しつつ、まずでも、目の前の試合も勝ち抜かなければいけないので、そのへんのバランスというか、というのは多少違いはありますけど、基本的にはやることは変わらないので、自分のやることをまずしっかりやりたいなと思っています」

Q.勝っているなかでプレーしていることは楽しさを感じる?

「そうですね、一応首位には今いるので、大きく違ってくるのはやっぱり後半戦からかなとは思うので、まずそこまでしっかりと自分たちの野球ができれば、そこから先というのは、僕にとっては、経験したことがないところなので、そこはまず楽しみにしたいなとは思っています」

Q.好調の理由は?

「んーまあ、まず構えが安定しているのと、ストライクゾーンをしっかり把握できているということじゃないかなと思うので、結果的にそれが甘い球をしっかりとヒッティングするということにつながっているのかなと思います」

《日本メディア》

Q.打てていた4月、5月は感覚的にはよくなかったと言っていたが、今はしっくりきている?

「そうですね、最近は打つべくして打っているなとは思うので、感覚的にはやっぱり4月、5月よりは全然いいんじゃないかなと思います」

Q.きょうのホームランの感触は

「きょうもよかったですね、打った瞬間入るとは思ったので、先制点をしっかりいい形でとれたのでよかったなと思います」

Q.カーブ2球のあとの速球だったが、待ち方は

「んー、まあ、いいときっていうのはあんまり、そこまで大きく張らなくてもある程度カバーできる範囲が広いので、あまり何も考えずに、自分のやることだけしっかりやっておけばいいのかなとは思うので、まあ4月、5月みたいに自分の思い通りの感覚が出ないときは、やっぱり工夫しなければいけないこともあるので、そういったところを使ってなるべく確率上げていくというのは大事かなと思います」

Q.左ピッチャーからのホームランが多いが、好調ぶり感じられる?

「まあ、あんまり右左は考えてはいないので、いちばんはやっぱりさっきから言っていますけど、しっかりと構えの段階でボールの軌道が出るような構えでしっかり構えるというところが大事だと思うので、そこさえできていればあまり右も左も関係ないのかなと思っています」

Q.エンジェルスの捕手のオホッピー選手と話していた場面は、負傷して交代した先発のサンドバル投手の様子を聞きに行った?

「いや、オホッピーに呼ばれたので行きました」

Q.オホッピー選手に盗塁を刺されたが、元チームメートが活躍している姿はうれしい?

「そうですね、まあいいスローイングでしたし、いいタッチプレー、ネトのタッチプレーもあったと思うので、まあ個人的には正しいプロセスを踏んで盗塁に行っているところではあるので、まあそこは、セーフになるのがやっぱりいちばんですけど、まずは正しいプロセスを踏むというところが大事なので、よかったですし、あのプレーを完成させた向こうの選手も、2人もすばらしかったと思います」

エンジェルスのエステベス投手 大谷選手のバッティングを称賛

ドジャースとエンジェルスの対戦は、互いの本拠地がフリーウェイという高速道路で行き来できることから「フリーウェイ・シリーズ」と呼ばれていますが、この試合は大谷選手の古巣との公式戦初対戦としても注目され、大谷選手のエンジェルス時代のユニフォームを着たファンも球場に訪れていました。

大谷選手は、その中でホームランを含む2安打と期待にこたえる活躍を見せ、エンジェルスの抑えのエステベス投手は「彼は地球上で上位に入る野球選手、彼がどれだけボールを強く打てるのかを見るのはいまだに驚くべきことだ」とチームメートだった昨シーズンまでと変わらないバッティングを称賛していました。