大手アパレルメーカー間で自社の古着回収 販売の取り組み進む

フリマアプリの普及などで中古の衣類を売買する動きも広がる中、大手アパレルメーカーなどの間で自社の古着を回収し、仕上げをし直すなど品質を担保した形で、みずから販売する取り組みが進んでいます。

三陽商会は21日から東京 新宿区の店舗で自社ブランドの古着の販売を始めました。

取り扱っているのは直営店やデパート内のブランドショップに持ち込まれ、1点につき500円分のポイントと交換する形で回収した商品です。

会社では回収後、生地のほつれや変色などがないか社員が細かく確認し、アイロンがけなどの仕上げをし直すなどして、会社独自の品質基準を満たした形で販売しています。

この会社の商品は比較的、高価格帯のものが多く50代以上が主な客層だということですが、価格を抑えた中古品をみずから手がけることで若い世代にも客層を広げていきたいとしています。

松尾峰秀専務執行役員は「若年層にも高品質の服に触れてもらい、将来的に新品の購入につながれば」と話していました。

古着としての再販売はユニクロでも東京と福岡にある2つの店舗で試験的に行っていて、回収した古着を価格を抑えて売るほか、色を染める加工をして新品とほぼ同じ値段で販売しています。

古着の回収はこれまでにも素材として再利用する取り組みなどとして行っていますが、販売については売れ行きや客の反応などを見ながら、事業化を検討することにしています。

欧州 行政が積極的に乗り出す

廃棄される衣料品を減らそうという取り組みは、ヨーロッパでは行政が積極的に乗り出しています。

フランスは廃棄物削減を目的とし、世界で初めて売れ残った衣料品などの廃棄を禁止する法律をおととし施行しました。

またEU=ヨーロッパ連合でも去年12月、売れ残った繊維製品や靴などの廃棄を禁止する「エコデザイン規則」案の改正に暫定的に合意したと発表しています。