「食品ロス」2022年度の推計値472万トン 削減目標を初めて達成

本来食べられるものが廃棄される「食品ロス」について2022年度の推計値が発表され、商品の売れ残りや外食での食べ残しなど事業系が大幅に減ったことから、2030年度までとしていた削減目標を初めて達成したことが分かりました。一方、家庭での食べ残しについてはまだ目標を達成しておらず、国は一層の取り組みを進めるとしています。

「食品ロス」について、国は2000年度の年間およそ980万トンを、2030年度までに半減させることを目標に掲げ、取り組みを進めています。

21日に発表された2022年度の推計値では、前年度と比べておよそ50万トン減少して、472万トンとなり、全体としての削減の目標を初めて達成したことが分かりました。

内訳は、
▽商品の売れ残りや外食での食べ残しなど事業系が236万トンと、前の年度から40万トン余り減って目標の273万トンを下回り、
▽家庭系は前年度からおよそ8万トンの減少で236万トンとなり、こちらは目標の216万トンには届きませんでした。

事業系の食品ロスが大きく減った理由としては、
▽新型コロナの影響で外食需要が減っていたこと、
▽原材料価格の高騰で余剰生産が抑えられたこと、のほか、
▽企業が保存容器の改良などによって賞味期限を長くしたことや、
▽コンビニなどで賞味期限切れが近い手前の商品から購入するよう呼びかける「てまえどり」といった売れ残りを減らす取り組みが進んだことなどが考えられるとしています。

消費者庁は関係省庁などと連携して、家庭での食べ残しの削減やフードバンクへの寄付の促進など一層の取り組みを進めるとしています。

自見消費者担当大臣は「家庭系は目標達成できていないことや、新型コロナウイルス感染症の影響が残っている可能性も踏まえると、今後も予断を持たず、事業者と消費者の双方が取り組んでいく必要があると考えている。事業系の削減についても新たな目標について議論を開始する必要があり、消費者庁としては、さらに一層力強く更なる取り組みを進めていく」と話していました。